2007 新潮社 桐野 夏生
失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきた10歳の自分の1年間にも及ぶ監禁生活の記憶が、奔流のように溢れ出したのだ。誰にも話さなかったその「真実」とは…。
残虐なのは誰も真実を求めていない現実ということなのだろうか…。リアリティという点では犯人と少女の深い心理描写がすごかった。これが作者のいう想像力なのだろうか。
2007 新潮社 桐野 夏生
失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきた10歳の自分の1年間にも及ぶ監禁生活の記憶が、奔流のように溢れ出したのだ。誰にも話さなかったその「真実」とは…。
残虐なのは誰も真実を求めていない現実ということなのだろうか…。リアリティという点では犯人と少女の深い心理描写がすごかった。これが作者のいう想像力なのだろうか。
1965 偕成社 武者小路 実篤
「私はあなたのものです、あなたのものです。私の一生も、名誉も、幸福も、誇りも、皆、あなたのものです。あなたのものになって初めて私は私になるのです」
野島は杉子に恋をした。親友の新進作家・大宮に相談する。大宮は野島と杉子がいっしょになってほしいと切に願い、振舞うのだが…。
中学生か高校生の時に読んでおく作品ですねー。さらさら読めるので、手にとりやすいのではないかな。しかし何このスキサケ。そして見破る杉子。スキサケ返し!みたいな。
宝島社 吾妻 博勝
内容はエグいので省略します。
トコロテン、地物、浮物、底物。
回転寿司に行けなくなりました。
というか魚が怖くなりました。
ありがとうございました(自暴自棄的な意味で)
偽装は薬品や添加物とか使っていなかったら、イイんじゃないでしょうか。タイとして偽装している沖縄の魚があるらしいですけど、知り合いはタイよりも美味しいと言っていました。「動物園のフラミンゴが美しい羽色を保てているのも、この薬剤のおかげです」というのは知らなかった…。
もちろん、ちゃんとした店もあるという。より良いケースは、すし屋と鮮魚店の経営者が同じで、さらに魚市場の仲買人をしているケース。またはお店が自前の漁船を持っているケース。こういうケースは一般の高級店以上に高級だという。
養殖されていない魚はカツオ、サンマ、イワシ、ニシンくらいらしい。
日本酒が工業アルコールを使いまくってクオリティを落として、日本酒離れがおこったように、寿司もそのうち寿司ばなれをおこしたりしないのかな?と思った。
そういえば、ここ最近は魚を食べてない。
2006 宝島社
食品の安さの秘密を書いた本。「外食」「コピー・加工品」「健康食品」「食品添加物」に分けて書いてある。
扱っている範囲は広いが「食品の裏側」などを参考にしているので、知っている内容も多かった。パン屋の恐怖など知らないものもあった。プロテインは笑った。大豆カスよりきな粉の方が良い。全体的には攻撃的な視点。写真が多くて内容少ないなぁ~とか、流行にのって作った本かな~とか思っていた。
ら、著者のコラムでそうではないことが分かった。「食品の裏側」の安部氏にも共感がわくという。著者の父親が食品添加物の問屋をやっていたが、友人に「こんなものは絶対に子供に食べさせるなよ」という一言で、その日のうちに儲かっていた事業をたたんだということだ。その後、父親は添加物の危険性を訴える活動を行い、著者も同様のことをしている。読みやすいので、パラパラめくってみるのも良いかもしれない。
2005 法研 家森 幸男
著者はカスピ海ヨーグルトを日本に広めた人だ。著者は遺伝的に100%脳卒中を起こすラットを開発していたが、これを克服するものも同時に研究した。そして、このラットでも大豆たんぱくを中心とするエサによって寿命まで生きることができることを証明した。この大豆の効能と病気の関係を研究するべく、寄付金を集め25カ国で尿検査と比較検査を敢行した。大豆の効能や比較データだけでなく、各国での試験の様子、食文化などをまとめた本である。
健康を研究しているので自分がまず健康でなくてはならないとかいてある。筆者の朝食は200Gのカスピ海ヨーグルトにすりゴマ、きなこ、食べるお茶をかけたもの。そして1日30品目を目標にしているとのこと。ヨーグルトはあまり食べてないから食べないとダメだと思った。
豆タリアンを自称する私としては大豆は最も栄養価の高い豆として布教していきたい。日本での比較検査では1日1食だけでも大豆をベースとしたヘルシーで減塩の食事によって、より健康になることを証明している。肉のアミノ酸スコアは最高の100だが、これは赤身の話で、脂肪が入ると値は69とグッと落ちるとのこと。大豆のアミノ酸スコアは100である。あと私が一番気にしている点。『人間一人が食べる牛肉を得るために使われる大豆の量を換算すると、人間が食べる量の9~10倍も必要になる。一人分の牛肉を得ようとして、8~9人分の食料を犠牲にしている、失っているといえます。』
オーストラリアでアボリジニたちを試験した話には心を打たれた。彼らの文化的背景をよく理解して根気強く運動している様がかかれている。キリスト教化、白人文化化するために、アボリジニの子供をさらって教育するということが過去に行われていたというのを初めて知った。10人に一人がさらわれて親に一生会えないとかありえない。
中国の貴陽は行ってみたい。米などが収穫しにくために大豆食品が溢れているらしい…。
筆者の挙げる7つの「長寿の法則」は以下だそうだ。
1、大豆や大豆食品を積極的にとる
2、塩分を控える
3、肉は脂肪を落として適宜とるようにする
4、緑黄色および淡色野菜や果実、海藻、キノコなどから、ビタミン、食物繊維、カリウムなどをとる。
5、魚介類でEPA,DHA,タウリンをとる
6、ごま、お茶などをとる(セサミン、カテキンはポリフェノールの一種)
7、家族や友人とともに食事を楽しみながら食べる
最後にブラジルでの大豆栽培が好意的に書かれていたが、たしか熱帯雨林を犠牲にしているはず…。うむ?ちなみに大豆食べている私は以前、会社の健康診断で悪玉コレステロールが基準値範囲を下に超えていたのだが、これはどうなんだろう?
2005 毎日新聞社 桐野 夏生
敏子は59歳。夫婦ふたりで老後の生活を平穏に送っていくはずだった。しかし、夫・隆之が心臓麻痺で急死し、その人生は一変した。8年ぶりにあらわれ強引に同居を迫る長男・彰之。長女・美保を巻き込み持ちあがる相続問題。しかし、なによりも敏子の心を乱し惑わせるのは、夫の遺した衝撃的な「秘密」だった。老いと孤独をテーマにした作品。
派手なタイトルなわりには、主人公が地味でビックリした。けれど徐々に変わっていくので多少は救われた。「一生懸命努力しなければ、なかなか信頼関係を築くことができないような、もどかしい夫婦関係だったということ。」信頼関係を自然に築けるって、一番大事じゃないか。
私の祖母が、亡くなった祖父について「会社に行っていると思っている」と語ったときには驚いた。亡くなって、もう何年もたっていたからだ。たしか女性が亡くなった後の男性の平均余命は4年で、男性が亡くなった後の女性の平均余命は20年とか聞いたことがある。この辺をテーマにした作品をもっと読みたい。
2007 アスコム 軍司 貞則
魚は有限な資源だ。以前、飛行機で漁業関係の方と乗り合わせて話す機会があった。ここぞとばかりに、海洋資源について聞くと「減っていっている」ということだった。その人は「刺身は料理だ」と言っていた。刺身として食べるために様々な技術を使っているとのことだった。それは、この本で語られているマグロの超低温保存技術についてのことだったのかもしれない。
著者は様々な人に取材することでマグロについての情報を集めていっている。逆に資源が枯渇しているという近年のマスコミ報道には否定的だ。
日本のマグロ生産者(漁船)がカツカツ。台湾人は国ごとに船の制限があるから、他の国の国籍の船として漁業をしたり、日本人に帰化して日本船のオーナーになっている。超低温によって保存が効くようになり、流通革命が起こった。現在では半年もたせることができるということだ。
違法行為をする台湾船を主導しているのは日本の商社。日本VS台湾の構図ではなく、日本VS日本であるとのこと。(日本の商社は日本の産業を壊すことを他業界でもしていると思う。林業について前から知りたいと思っている)
COマグロ。一酸化炭素で色をよくして、かつ鮮度を保っているマグロ。台湾などではマグロの消費量は少ないとのこと。巻き網という一網打尽の漁法は環境への負荷が大きい。アメリカなどの環境保護団体のために、イルカを保護するために捕るべきではないマグロの稚魚が犠牲になっているとのこと。そもそも環境保護団体は企業献金によって支えられているので、企業の利益に沿った行動を少なからずするとのこと。マグロの稚魚はツナ缶などになるとのこと。(つまり環境に負荷を与えている漁法で取られたものがツナ缶…。うむむ)
そしてマグロの蓄養。抗生物質の投与や、薬品での色づけ。(まあ、これはマグロに限らないだろう)
まとめると、「生のクロマグロが食べたい」と思った。
2005 文藝春秋 角田 光代
「家買ったら帰るところがあるって発想がお子さまなんだよねー」
娘、父、母、息子。それぞれから見た“隠し事のない”家庭。
やるせない。ん、けど勉強になった。
1974 岩波書店 宇沢 弘文
『イキガミ』という漫画を知っているだろうか?この漫画の日本では、「国家繁栄維持法」によって、国民に「いのちの価値」を考えさせることで国家をより豊かにしている。およそ1000分の1の確率で選ばれた18~24歳の若者が、24時間後には死んでしまう…。国家の繁栄のために命を?!とあまりにも現実離れした設定であるように感じる。
ひるがえって、現在の利便性を追求した自動車社会である。年々、法律が厳しくなっているせいか、死亡者数は減っているが、それでも18年度も6000人近くの人が亡くなっている。負傷者数にいたっては100万人を超えている。効率化のために犠牲になっているようにも見えないだろうか?もちろん包丁にだってフォークにだってリスクはあるが、自動車社会が市民に与えている影響は大きいように思える。もちろんメリットも計り知れないが、結果的には市民の基本的権利を大きく阻害する要素にもなっていないか?というのが著者のスタンスだ。
著者は経済の専門家である。経済の専門用語が頻出して後半は読みにくかった。自動車は安価な交通手段だが、その費用を「内部化」できていないという。利用者が支払うべき費用を支払わないで、使っているということだ。たとえば、先にあげた交通事故の費用や、環境に与える影響を費用化したものだ。環境汚染はきっと各種のアレジーの原因にもなっているだろう。もし事故が起こりにくい道路の建設などを含めた社会的に費用を算出してみると、車一台辺りの価格は200万円/年になるという。また道路の建設に関しては弱者が大きな負担を強いられているということだ。
かくいう私は、車をコスって修理に出しましたorz
ガソリンも上がったし、もう、普通に車の維持費って高い…。
そういえば、奈良にはNOxの規制もないらしい。
2006 本広克行 瑛太, 瑛太, 上野樹里, 与座嘉秋, 川岡大次郎, ムロツヨシ, 永野宗典, 真木よう子
真夏なのにクーラーのリモコンが壊れたSF研究会の部室。そんなところへ偶然現れた本物のタイムマシン。昨日にタイムスリップして、壊れる前のリモコンを取ってくれば良いと思いつく。だが、それは過去を変える行為であり、そのせいで矛盾が起こったら、全てが消滅する恐れが!そこで過去を元に戻すための大冒険がスタートする!真夏の青春SFコメディ。
構成がすごいうまくできてて、後半に向かって謎がとけていく。けど、もうちょっと人間くさい?青春っぽいエピソードを入れてほしかったなぁ~と。