
単館映画のサイトで気になったので、映画を見た。新聞の小さな記事を掘り起こして映画化された実話に基づいた壮絶な物語。
登場人物
杏は母子家庭に生まれ、母の春海からの虐待を受けて育つ。小学校4年で不登校となり、12歳にして母から売春を強いられ薬物依存症となった。多々羅は人情味あふれる刑事で、薬物更生者の自助グループ「サルベージ赤羽」を主宰する。桐野は更生施設を取材する週刊誌記者で、多々羅とは数年にわたり親交がある。
物語の始まり
21歳になった杏は東京の団地に住み、ホステスの母、足の不自由な祖母の恵美子を支えるためだけに生きている。2018年秋のある日、杏は覚せい剤使用容疑で逮捕され、刑事の多々羅保と知り合う。多々羅が生活保護や更生の世話をしたことで、杏は少しずつ心を開く。家を出てシェルターに避難して家族との縁を断ち、新しい生活を立ち上げようと奮闘する杏に2020年のコロナ騒動が起きる。
テーマ
人によって壮絶な過去があり、壮絶な家庭がある。ただその家庭環境は子供の素養とは関係がない。ただ親との関係はそう簡単に断ち切れるものではない。
最後に
過酷な現実を描いている映画だと聞いていて心してみた。当人にはどうしようもない家庭環境というものに翻弄されている杏をみるとやるせない。人生はなぜこうも不公平なものか。自分はこの映画を見るということだけで酷く恵まれている側にいると感じた。また人とのつながりは血が繋がっていなくても大切なものなのだ。コロナ騒動という人工ウイルスによるカネに目が眩んだ狂人たちが起こした詐欺は、人間がここまで悪になれるのかと恐ろしい。またこのような被害者を一人でも減らすために活動しなければとも思った。思っただけではダメであるのはわかっている。
杏が健気にしがらみから解放されようとしている姿は胸を打つ。自分の努力によって現在の自分や地位が築き上げられたと思っている人にはぜひともみてほしい!