ユリイカ(EUREKA)

2002 青山真治 役所広司

 

壮絶な体験をした兄弟と沢井が再び出会い、共同生活をはじめる。沢井はなんとか兄弟を救おうとする。

日常の中の根本的な価値を破壊された人たちがそれに向き合って、それぞれの道を探していく物語。最終的には新たにスタートに立てたのだと思う。

モノクロームの映像が素晴らしい。1カット1カットを額に飾りたい。北九州の自然の描写が美しかった。役所さんは天才。他のキャストも素晴らしい。台詞は少ないが脚本も腹立つくらいイイ。

日本人とは何か

1976 講談社 加藤 周一

 

はじめは芸術の話から始まり、戦争、天皇制まで話は及ぶ。“西洋”を強く意識した比較論であったと感じた。

第二次世界大戦についても私たちが知らされているように国民が軍部にだまされて踊ってしまった、というようなことは一方ではあったが、知識層はその無謀さをよく理解していて、それを止められなかったとの記述には驚いた。現在も同じことが起こっているのではないか。