グローバリゼーション 人類5万年のドラマ (上) 単行本

ナヤン・チャンダ (著), 友田 錫 (翻訳), 滝上 広水 (翻訳) 2009

 

長いスパンで歴史・人類の足跡を鳥瞰したいとこの本を手に取った。

移住・貿易・布教・海外遠征・侵略などの7つの観点で、人類がアフリカを出てからの動きを観察し、分析した書籍。ストーリー仕立てになっており、読みやすい。近年の多国籍企業によるいわゆるグローバリゼーションについては、ポジティブな立場でかかれており、不可避なものとして結論している。

著者が訴えたいことが「多国籍企業によるグローバリゼーションは不可避だよ」というのであれば、もう少し経済的な観点や一般の人に及ぼす影響などの観点で書いてほしかった。人類のドラマと多国籍企業の話をいっしょにするのは違う。人類の歴史は鳥瞰できたから、よしとする。

 

青雲の彼方

樋口 靖明 ブイツーソリューション 2008年1月30日

 

ローマに復讐を誓ったハンニバルとカルタゴの盛衰の物語。

塩野さんのハンニバル戦記で、ハンニバルが好きになったが、この本ではどちらかというと嫌いになった。物語としてもハンニバルという人物を深く掘り下げているわけでもないように感じた。

大いなる遺産 (上巻)

1951 新潮社 ディケンズ, 山西 英一

 

貧しい鍛冶屋のジョーに養われて育った少年ピップは、謎の人物から莫大な遺産を受けることになる。そしてロンドンに赴くことになるが・・・。

基本的な設定というかプロットはすばらしいけれども、なにしろ読みにくい。がんばって読んだという感じ。映画とかの方がおもしろいのかな。

知の技法―東京大学教養学部「基礎演習」テキスト

1994 東京大学出版会 小林 康夫, 船曳 建夫

 

東京大学教養学部文系1年必修科目「基礎演習」のサブ・テキストとして編集された本。制度化された領域を超えて、全ての「学」に共通する技術・作法としての「知の技法」を習得させる1つの試み。2,3年という短いスパンで使える教科書を目指したと書いてあった気がする。

不得意なところは飛ばして、ざっと読んだ。某所にあとがきが面白いと書いてあったので、もう一度よまないと駄目かもしれん。

悪について

1965 紀伊國屋書店 エーリッヒ・フロム, 鈴木 重吉

1965 紀伊國屋書店 エーリッヒ・フロム, 鈴木 重吉

 

「防衛という名をかりない侵略戦争は、ほとんど例がない。防衛を正しく主張した者は誰かという問題は、一般に勝者によって決められたり、またはずっと後になってはじめて客観的に歴史家が決定することもある。」

「復讐の動因は、集団または個人のもつその強さと生産性とに反比例する。無能な者や不具者は自尊心が傷つけられたり砕かれると、その回復の手段として頼れるものはただひとつしかない。つまり「眼には眼を」というたとえのように復讐することだけである。一方、生産的に生きている人にはそういう必要はほとんどない。たとえ傷つけられ、侮辱され、損害を与えられても、生産的に暮らしている過程そのものが過去の傷を忘れさせる。生み出す能力というもおは、復讐の欲求よりも強いことが分かる。」

フロムによるフロイトの理論をベースとした人間分析。決定論に飲まれるのが「悪」。その反対が「自由」。悪に退行・衰退していく過程を、ネクロフィリア、(集団の)ナルチシズム、近親相姦的強制という3つのオリエンテーションの視点から分析する。

個人的にはフロムの決定論からの脱却のための自由は支持するけれど、フロイトのボキャブラリーで語るのに限界があると思う。「ネクロフィラス」->物質主義・産業主義、「ナルチシズム」->集団が持つ主義への陶酔、「近親相姦的なきずな」->血族・種族・家族への結合欲。ちょっと無理やりすぎるんじゃないか?それにこの3つで説明しきれるの?まず肛門リビドーとか出てきた時点で、すんなり納得できなくなってくる。ともあれ、他の人道主義の方々もお勉強する予定。

消費税によらない豊かな国ニッポンへの道―税をただすだけで社会保障財源は十分にある

富山 泰一 あけび書房 2009年5月

 

大企業と富裕層の減税による再配分効果の減少をなくせば、消費税を0%にできると説明。独自の試算を実行。

– 日本の税・社会保障負担は低いのか、高いのか
– 日本はなぜ財源不足になったのか
– なぜ、消費税は導入されたのか
– 消費税導入後の税・社会保障の「抜本改革」
– 税財政政策・社会政策を作っているのは誰か
– 「構造改革」路線で格差と貧困が拡大
– 消費税によらない豊かな国ニッポン創出のために

左側からの消費税増税や大企業・富裕層の減税への攻撃。GDP縮小のストーリーも書かれていた。

老けない人の免疫力

2007 青春出版社 安保 徹

 

タミフルの効果は発熱期間を1日短縮するだけ!で、副作用が多いというところから薬の害悪を語り始め、健康法、癌の治療にまで免疫力の見地から分析する。薬いくない!自然治癒!笑う!運動!お風呂!食事!寝る!

縄文食で玄米が出てきたけど、縄文時代に米を食べてたっけ??サプリメントはたくさん発売されているから効くんだ!とか結論していて、ちょっと疑問点があったけど、概ね当たり障りの無くトレンドを捕らえているという印象。まあ、科学的なところを読んで、それ以外は読まなくても良い感じ。