
片倉もとこ先生のイスラーム文化でのフィールドワークをまとめた本。アラビア人の海の民としての一面。移動というものに対する考え方。興味深かったのはバンクーバという異国に住むムスリムの生活の分析だ。同化しようというグループと、厳格にシャーリアを守ろうとするグループ、その中間に位置するグループ。その3グループの分析から、世界中の民族の共生についての提言や、これからの社会のあり方へ話を広げている。片倉哲学がつまった良書。
素晴らしかった。ますますファンになった。民族の共生、国家という枠組みの限界。自分が行き当たっている疑問に答えてくれている気がした。国家の品格や、文明の衝突よりも、本書を読むべき!手元に一冊持っておこう。