モリのアサガオ 7 (7) (アクションコミックス)

2007 双葉社 郷田 マモラ

 

”死刑”を行う刑務官になった及川直樹は、殺人犯・渡瀬満に憧れを抱いていた。渡瀬は殺された両親の復讐として10年の歳月をかけ周到に犯人を追いつめて殺したのだ。及川は刑務官として死刑囚とのふれあいを通して成長するとともに、渡瀬の内に眠る秘められた感情を共有するようになる。死刑制度を当事者の視点で描ききった衝撃の問題作!!

生とは何か?死とは何か?人生とは何か?殺人とは何か?死刑とは何か?ヘビーなテーマを多方面から描いている。これを読んだ後でも”すべての殺人を否定することはできない”と思った。死刑も殺人だけど、それを否定はしない。では、どの殺人が良くて、どの殺人が悪いか、などという明確な基準は、その存在すら分からない。いずれにしても死刑制度がある国の国民としては、ぜひ知っておくことだと思った。冤罪の問題は死刑制度のよりも警察の方に多くの問題があると感じた。最後に、死刑の執行というあまりにも重い任務を国民の代わりに負ってくださっている刑務官の方には感謝と敬意をしめしたい。

いのちの食べかた

年度: 2005 国: ドイツ=オーストリア 公開日: 2007/11/10 私たちの食べ物がどんな風に作られたのか、知りたくありませんか?

 

高速にベルトコンベアーを流れていくヒヨコさん。吊り下げられて処理されていくトリさん。朝食を食べる人。トマトさんへの農薬散布。裁かれるブタさん。分別されるリンゴさん。人工授精されるウシさん。昼食を食べる人。ピーマンさんの収穫。淡々とした情景が絶妙なカメラワークで写される。台詞も音楽もない。けれどアッというまに2時間がたってしまった。息をつく暇もないスペクタクルな食料生産の現場。

もっとエグい映像を作ろうと思えば作れたと思うが、邦題にある”いのち”ということに重点を置いていたのかもしれない。動物の一生が断片的に描かれている。どんどんパズルが組みあがっていくのだ。そして、できあがった絵に唖然とする。個人的にはマグロへの薬投与とかも見てみたかったなぁ~とか。映画の後にはメガマックを食べてみたが、やっぱり合掌してしまった。フォアグラとかラムの飼育の映像があったら食べられなかったかもしれない。前の回に小学生くらいの外国人がいたけど大丈夫だったのかなぁ~。まあ一日3度などの食事をとらずにいられないような食事ジャンキーの人は見ておいてもいいかもしれない。

百年の孤独

1999 新潮社 G・ガルシア=マルケス, 鼓 直

 

ホセ・アルカディオに始った波乱に富んだブエンディア家の数世代に渡る数奇な運命を描いた作品。

長くて濃かったので一気に読めなかった。様々な感情をこそぎとられて呆然としてしまった。