「岩宿」の発見 幻の旧石器を求めて: 幻の旧石器を求めて

1973 講談社文庫 相沢 忠洋

古代史に興味があり、この本にたどり着いた。とにかく素晴らしい物語だった。

登場人物

相沢 忠洋先生が幼少期の体験や戦前・戦後をどのような生きてきたか。それは日本の歴史をひっくり返す「岩宿」の発見にどうやって行き着いたかを詳しく語っている。

物語のはじまり

相沢 忠洋先生は納豆売りをしてまずしく暮らしていた。両親と共にあった幼い頃からの記憶を辿っていく。

テーマ

興味があることに打ち込むとはどういうことなのか。人間世界には汚いこともたくさんあるが、真摯であるということはどういうことなのか。

最後に

戦前・戦後の情景も描かれているので、そのあたりも非常に興味深い。ただ何よりも相沢先生のお人柄、情熱が素晴らしく、かくも真摯に生きられるのかとも思った。幼少期から辛い体験をいくつも重ねており、その中でも希望を失わずに生きられていたお姿には何度も心を打たれた。厭世的なのは相沢先生の優しいお人柄がそうさせている気がした。この10年で一番感動した作品かもしれない。多くのひとにぜひ触れてほしい。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です