バーバー吉野 スペシャル・エディション

2004

 

その町の少年は「吉野がり」というぼっちゃんがりにする風習があった。子供たちは町に1軒しかない「バーバー吉野」の女主人は伝統を愛し、朝、学校に登校する子供たちの髪型をチェックするのが、日課であった。しかし、そこにカッコよい髪型をした男子が転校してくる。そこから始まる少年たちの物語。

牧歌的な情景。そこには足りないものがないくらいの平和が、美しくソツなく描かれている。全体的に完成度がかなり高いのではないだろうか。

もたいさんは最高だったのだけど、物語にはどこかパンチが足りない。スタンドバイミーのような少年のかかえる葛藤がなかったのだろうか…。カナリアの男の子をまた見れたのがよかった。

アラバマ物語

2006 ロバート・マリガン グレゴリー・ペック, グレゴリー・ペック, メアリー・バダム, フィリップ・アルフォード, ロバート・デュバル

 

1930年代、アメリカ南部のアラバマ州の小さな町。男やもめの弁護士、アティカス・フィンチは息子ジェムとその妹スカウトと平和に暮らしていた。近くの家には“ブー”と呼ばれる怪物のような男が住んでいると、恐れられている。兄弟は家にこもりきりの“ブー”を恐れると共に、さまざまな想像をめぐらせている。あるとき、アティカスは罪に問われている黒人の弁護を引き受けることになる。それは一家を危険にさらす結果になってしまう。黒人差別があたり前の地域ならでは出来事だ。ストーリーも重要だけど、子供の純粋な視点や感受性など見逃せないシーンがちりばめられている。これは間違いなく不朽の名作!!見てない人はぜひ見てほしい。

10年くらい前に見て、ひどく感動したが、再び見たくなった。大好きな大好きな映画の1つだ。人間の汚さや社会の不完全が、人間の高潔さともにバランスよく描かれている。ノーブルという形容がふさわしいアティカスのゆるぎないフラットな考え方と正義感は好き。子役もすばらしいし、特に妹のスカウトの表情や仕草は好きだ。

今回改めて見ると、父を救うためにスカウトが熱弁を振るうシーンを好きになった。以前に見て一番心に残ったのは、友達を家に招いてステーキを振舞うシーン。友達がステーキにシロップをたっぷりかけるが、それをたしなめたスカウトが叱られる。それがアメリカだからなのか?アティカスの教育方針なのか?「お客様の食べ方に文句をつけてはいけない」という多様性を許容させる教育には驚いた。多様性といえば、アメリカではアフリカンアメリカンの血が入った大統領が生まれるかもしれない。日本はエスタブリッシュのおぼっちゃま首相。琉球人かアイヌ人か在日朝鮮人の血でもそろそろ入れた方がいいんじゃない?あ、マタヨシさんはパス。付録である人が「企業化したアメリカでアティカスのように自分の信念を貫くためには“アティカス社”が必要だ」と言っていたのはうなづけた。

それにしても父親をファーストネームで呼ばせるというのは憧れるなぁ~。アティカスは自分の中では永遠のヒーローだ。クラーク・ケントを彷彿とさせるお父さん。え?ローマの休日の人?!そかそか。しかし恥ずかしながら、「ものまね鳥を殺すには」という原題をしらなかった。原作も読んでみたい。

ライフ・イズ・ジャーニー

2003 田辺誠一 大塚寧々

 

『LIFE』『ん』『や』『No where』田辺誠一氏によるショートムービーのオムニバス。

LIFEはメッセージ性が強く、映像的には実験的な作品。ん、やは言葉をテーマにした作品。No whereは自分探し。No where->今はここ、ってのがオサレ。全体的に移動撮影が特徴的なのかな。つぐみさんも出てた。

この人って、こんな世界をもっていたのか!と驚いた。インタビューでの田辺氏は目をギラギラさせて、作品を雄弁に語っていてのが印象的だった。田辺氏の解説を聞いた後にLIFEを再び見た。その後もLIFEなど何気に何回か見てしまったので、好きなのかもしれない。

ある愛の詩

2006 アーサー・ヒラー アリ・マックグロー, アリ・マックグロー, ライアン・オニール

 

「愛とは決して後悔しないこと」

オリバーは代々ハーバード大学出身という大富豪の御曹司。彼は美しいジェニファーに出会う。ジェニファーは普通の家。オリバーは父親の反対を押し切り結婚する。父と袂をわかち、オリバーは援助を受けずに大学院に進むため、ジェニファーが働き家計を支える。オリバーは晴れて法律事務所に勤務することになるが、、、。テーマ曲が有名な愛の抒情詩。

ヒロインが主人公の家に行くときのシーンが面白かった。あれは女性にとっては嬉しいのだろうか…。学歴社会のアメリゴでは旦那の勉強のために妻が働くというのがあると聞いたことがあるが、こんな感じなのだろうか。ストーリー自体はシンプルすぎて、ひっかかってこないかな…。

ZOO

2005

 

乙一氏の小説を映画がしたもの(…らしい)
『カザリとヨーコ』
『Seven Rooms』
『SO-Far』
『陽だまりの詩』
『ZOO』
(↑他の人のレビューのコピペ)

自分を愛せない(だろう)母親の娘への虐待を描いた『カザリとヨーコ』と、人間が滅びた後の牧歌的な世界をCGで描いた『陽だまりの詩』がストーリー的にも映像センス的にも好き。あ、陽だまりの詩は挿入歌がカッコイイんだ。散文的で透明感のある旋律。調べよう。タイトルバックとかのセンスはすごいものがあるけど、特にお勧めはしません。

カルタゴ―消えた商人の帝国

社会思想社 服部 伸六

 

カルタゴの誕生、滅亡の歴史から、政治、文化、宗教、美術が書かれている。最後にカルタゴの教訓として、著者の意見が書かれている。

たまたま図書館で目に付いたので借りてしまった。勝者の歴史ではカルタゴの異質な文化は異様なものに描かれているが、はたして異様なものだったのだろうか。最後の3年の抵抗はすごい。民主的な政治をローマが脅威に感じたという説も面白い。やっぱりハンニバルは好きな偉人。北アフリカから地中海を見てみたいや。