アイリス

2003

 

女流作家アイリス・マードックの生涯を描いた書籍の映画化。奔放で才気に溢れる彼女と、晩年にアルツハイマー病によって記憶や人格を失っていく様子が、描かれている。深い愛情を描いた作品。

良い人材を結集して良いものができたという感じなのか。スキがなく、Typicalとは言わないが、期待を裏切らない。

深い愛情とは何か?やはり許し受け入れることなのか?

ヘヴン 特別版

2003 トム・ティクヴァ ケイト・ブランシェット, ケイト・ブランシェット, ジョヴァンニ・リビージ, ステファニア・ロッカ

 

テロまがいの犯罪を犯した女性フィリッパが、軍の取調べを受ける。通訳を引き受けた軍のフィリッポは女性に運命的なものを感じる。彼は女性を助けようと計画する。

愛というテーマがあるものの、ストーリーと音楽は映像に添えられたものに見えてしまった。美しい。

ローマ人への20の質問

2000 文芸春秋 塩野 七生

 

ローマ人の物語の塩野先生の本。一般的に流布されているローマ像などについての率直な質問と答えが会話としてかかれている。

やはりローマを肯定する論調。ローマ人の物語からの引用も多かった。塩野先生のスタンスが随所に語られている。

復習になったのかな?特に読まなくて良かったかも。ローマ人の物語は途中で止まってしまっている。1巻から再読したい。

リプリー

2000 アンソニー・ミンゲラ マット・デイモン, マット・デイモン

 

青年リプリーは、イタリアで遊び暮らす御曹司の息子ディッキーに取り入り、贅沢な生活を満喫する。けれど、その暮らしは長続きしなかった。人間の欲望を描いたサスペンスタッチの作品。

「太陽がいっぱい」のリメイクではなかった。こんなテイストだっけ?という感じ。アラン・ドロンのイメージが強いのか、マットデイモンが気持ち悪すぎて、最後まで見てない(汗)けど一応メモ。

コールドマウンテン

2006 アンソニー・ミンゲラ ジュード・ロウ, ジュード・ロウ, ニコール・キッドマン, レニー・ゼルウィガー, ドナルド・サザーランド, ナタリー・ポートマン, フィリップ・シーモア・ホフマン

 

アメリカの南北戦争の時代。都会に暮らしていたエイダは田舎町に移り住み、インマンに出会う。無口のインマンとお嬢様のエイダはゆっくりと距離を縮めていくが、戦争によって引き裂かれる。二人は再会を夢見て歩き始めるが、、、戦争の悲劇とその中で気丈に生きる人を描いたドラマ。

戦争に対するスタンスや描き方がよかった。ハリウッド大作にしては好感が持てた。登場人物が魅力的に描かれていて、見ていて気持ちよい。賞をとっている助演のレニーさんがやはり素晴らしい。自然の描写も美しかった。

戦争になると女性も銃を撃つ必要があるのだと感じた。そういえばスカーレット(オハラ)も人を殺していた。生きるために誰かの愛する人を殺す。それが戦争なのかもしれない。

ペギー・スーの結婚

1998 フランシス・フォード・コッポラ

 

高校時代の人気者の夫と結婚したペギースー。けれど今では別居状態。ハイスクールの同窓会に出席した折りに、その席上で突然倒れ、気が付いたら身も心もハイスクール時代へと戻っていた。もし人生が変えられるのであれば。何が自分にとって大切だったのか。熟年離婚をテーマにしたファンタジー。

特にひっかかることはなかった。選択を変えても人生は変わらない。自分を変えないと。つまり、いつでも人生は変えられるけど、自分を変えるのはいと難しい。

卍 まんじ

2002 横山博人 樋口可南子, 樋口可南子, 高瀬春奈, 原田芳雄, 小山明子

 

谷崎潤一郎の卍を映像化。夫婦の中に一人の女性が入りこみ、奇妙な三角関係になる。

原作を読んでいない。やっぱり官能を映像化するのって難しいのかな。映像はいくつか効果的なものがあった。海のシーンとお墓のシーンは目に焼きついている。

谷崎潤一郎は文学全集に納められていた何作かを読んで「この人おかしい」と思ったけど、これも原作読まないとダメだ。

ロスト・イン・トランスレーション

 

CMを撮るために来日したハリウッドのアクション・スター。夫に同行して来日して、ホテルに取り残されたアメリカ人女性。東京でさまよう二人の想いは自然に惹かれあう。淡い恋、そして愛情の物語。

音楽や色や台詞もよい。気持ちを出さない二人の演技もいい。日本もフェアに描かれていると思う。ふんどしはしてなかったし、出っ歯じゃなかったし、刺身がお皿から飛び上がることもなかった。ヒロインのメイクや肉感的なプロポーションもたまらんw

“テンション”などを連呼するシーンは外国人がクスリと笑うのだろうか?日本語を良く知っているなぁと驚く。それに英語は訛っていては使い物にならんなぁ…と、、、がんばろ。日本って韓国並に英語が通じない。

それにしても、、、ぜづね。せつね。切なすぎ…。何回も見直したし、気持ちわかりすぎし。こういうのって引きずる。たぶん男がw。(by ヒキ ずり男)

ふと。「みんな行ってしまう」(山本文緒)のドーナツのお父さんを思い出す。たしか「もっと別の愛情を注げたのに…」という文があった。ボブは最後に愛情を注いだんだ。きっと。