残虐記 (新潮文庫 き)

2007 新潮社 桐野 夏生

 

失踪した作家が残した原稿。そこには、二十五年前の少女誘拐・監禁事件の、自分が被害者であったという驚くべき事実が記してあった。最近出所した犯人からの手紙によって、自ら封印してきた10歳の自分の1年間にも及ぶ監禁生活の記憶が、奔流のように溢れ出したのだ。誰にも話さなかったその「真実」とは…。

残虐なのは誰も真実を求めていない現実ということなのだろうか…。リアリティという点では犯人と少女の深い心理描写がすごかった。これが作者のいう想像力なのだろうか。

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