現代台湾を知るための60章

明石書店 亜洲奈 みづほ

 

国際関係、政治、経済、社会、文化、芸術に分かれた60章で現代台湾を様々な角度から分析した本。

日本、台湾、どちらにおもねることなく語られていて、程よいバランスが心地よかった。4台エスニックグループ-ビンナン系、客家、先住民、と大陸系の移住者-を抱える他民族国家の台湾が、民族的政治的に根本的にアイデンティティの問題を抱えているというのは興味深かった。先住民のために選挙によらない8/225議席を与えられているという先進的な民主主義があったのはショックだった。別の本によると12民族、37方言があるそうだ。政治についても語られていて良かった。もっと整理して勉強が必要なことを感じた。サヨナラ・再会という映画はみたい。

老けない人の免疫力

2007 青春出版社 安保 徹

 

タミフルの効果は発熱期間を1日短縮するだけ!で、副作用が多いというところから薬の害悪を語り始め、健康法、癌の治療にまで免疫力の見地から分析する。薬いくない!自然治癒!笑う!運動!お風呂!食事!寝る!

縄文食で玄米が出てきたけど、縄文時代に米を食べてたっけ??サプリメントはたくさん発売されているから効くんだ!とか結論していて、ちょっと疑問点があったけど、概ね当たり障りの無くトレンドを捕らえているという印象。まあ、科学的なところを読んで、それ以外は読まなくても良い感じ。

The Elements of Style

1999 Allyn & Bacon

 

“Vigorous writing is concise. A sentence should contain no unnecessary words, a paragraph no unnecessary sentences, for the same reason that a drawing should have no unnecessary lines and a machine no unnecessary parts.
This requires not that the writer make all sentences short or avoid all detail and treat subjects only in outline, but that every word tell.”

E.B. White は大学で William Strunk Jr. の Writing の授業をとっていた。Professor Strunk は授業の中で “Omit needless words!” とまくし立てるような変わった人だったが、英語の Writing に関して一貫したスタイルを持っていた。その授業では Professor Strunk .が “the little book” と呼ばれていた自作のテキストを使っていた。この本は E.B.White がその “the little book” を改定したが100ページほどの依然littleな本である。英語のライティングのクラシック(らしい)。
1. Elementary rules of usage
2. Elementary principles of composition
3. A few matters of form
4. Words and expressions commonly misused
5. An approach to style

決して英語そのものが簡潔で一意なわけではなく、英語で一般的に書かれている”スタイル”が簡潔で一意なことが分かった。

Elements of Legal Writing: A Guide to the Principles of Writing Clear, Concise,

Martha Faulk, Irving M. Mehler Longman 1996年5月1日

 

Elements of Styleに着想を得たビジネスのためのライティングの本。
1. Principles of Composition
2. Principles of Organization
3. Principles of Wording and Phrasing
4. Principles of Tone
5. Principles of Persuasion
6. Principles of Punctuation Grammar, Abbreviation, Capitalization, and Spelling
7. Principles of Format

Elements of Styleとかぶっている部分もあったけど、スタイルを超えて内容まで踏み込んでいる。より読みやすかったように思った。

フロイトを超えて

エーリッヒ・フロム 紀伊國屋書店 1980年1月

 

「すべての体系はその創始者が展開し、提示する段階において必ず誤りがあること、そしてそれはなぜかということを理解しなければうまく行かない」

「この理論がラディカルであったのは、自らの全能と全知に対する人間の信念の最後のとりで、すなわち人間経験の究極的データとしての意識的思考に対する信念を、それが攻撃したからである。ガリレオは人間から、自分たちの地球が宇宙の中心であるという幻想を奪った。ダーウィンは人間が神によって創造されたという幻想を奪った。しかし、意識的思考が人間の依存しうる最後のデータであることは、だれも疑わなかった。フロイトは人間から自らの合理性に対する誇りを奪った。」

社会学者エーリッヒ・フロムがフロイトの成果を再評価する。フロイトは何を間違えたために誤解されたのか。フロイトが囚われていたものを取り除き、本当に発見したものを丹念に検証していく。その中からフロイトの科学的な姿勢なども明らかになっていく。

フロイトを好きではなかったが、フロムが語るフロイトを読むと、大きなパラダイムシフトをもたらした人だったと感じた。しかし、それを結論するフロムは素晴らしい。フロムが語る科学については感動したので、引用したい。

「選択した事実、実験、そして結果の確かさの単純な連続を科学であるとするこの概念は、もう時代遅れである。そして今日の真の科学者は、物理学者であれ、生物学者であれ、化学者であれ、天文学者であれ、科学的方法についてのこの種の原始的な概念をとうの昔に捨てているのは、意味深いことである。
社会科学における今日の創造的科学者を疑似科学者から区別するものは、理性の能力に対する信念であり、人間の理性と人間の想像力は現象の欺瞞的な表面を貫いて、表面ではなく底に流れる力を扱う仮説に到達しうるという信念である。肝心なこと、彼らは決して確実さを期待しないということである。彼らのすべての仮説は他の仮説に取って代わられるが、第二の仮説は必ずしも第一の仮説を否定するものではなく、それを修正し、拡大するものであることを知っているのである。
科学者がこの不確実さに耐えられるのはまさに人間の理性に対する信念があるからである。彼にとって重要なことは結論に達することではなく、その幻想度合いを減らし、より深い根源まで洞察することである。科学者は誤りを犯すことさえ恐れない。彼は科学の歴史は、誤ってはいても生産的で含蓄深い所説の歴史であって、そこから新しい洞察が生まれて、古い所説の相対的な誤りを克服し、さらに新しい洞察を生むものであることを、知っている。」

よくよく考えると、デカルトが定義した科学も「間違えに負けず、確かさに近づいていく」という考え方が主だったものだった気もしてくる。

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫 青 946-1)

シュレーディンガー 岩波書店 2008年5月16日

 

物理学者のシュレディンガーが分野を超えて、物理学の見地から生物を語り、分子生物学の生みの親となった。

「生物と無生物のあいだ」に書かれていたことが、書いてあった。驚くのがまだDNAの存在が確認されていないときに書かれたということだ。

いい妻、リセット宣言

2007 共同通信社 百世 瑛衣乎, 松本 麻希

 

・妻の4割が「定年後が憂うつ」と感じています。
・夫の定年後、主人在宅ストレス症候群にかかる妻がたくさんいます。
・夫がいない女性に比べて、夫がいる女性は約2倍の死亡率。
・熟年離婚は27年間に6.7倍へ急増!

いい妻、母、という役割を考え直し、家事全般の役割分担を行うことで夫の定年後をよりよく過ごせるという。どうすれば、うまく役割分担ができている状態に移行できるかが説明されている。

「12時ちょうどに昼ごはんを食べたがる病」ってのは笑えた。たしかに父がそう。普通はそうなのかな?分担が進まない理由の一つには、妻側も自分のテリトリーを守りたいという心理があるのだろう。

コールドリーディング~ニセ占い師に学ぶ! 信頼させる「話し方」の技術 (FOREST MINI BOOK)

石井 裕之 フォレスト出版 2008年7月5日

 

「本当に大切なのは、話し方や聞き方、話術といったテクニックではなくて、かけがいのないスペシャルなひとりの人間として相手に心から興味をもってあげること。」

コールドリーディングを実際に使う場合の注意、使用例、ストックピール集など。実践を意識した内容になっている。

夫よ、あなたがいちばんストレスです!

2003 河出書房新社 村越 克子

 

夫の言動ではなくて、夫の存在がストレスとなる。のはそんなに珍しいことではないようにも思う。お互いにどうすればストレスを軽減できるかを夫と妻をタイプに分けて、対処方法を解説している。

最後の2番目のカップルは感動した。

おすすめ”生命保険には入るな!―「お金のプロ」20人が本当に入っている保険はこれだ

後田 亨 ダイヤモンド社 2008年6月27日

 

実際にプロがどういう生命保険に入っているか?をインタビューと解説でまとめた本。実際の商品名も書いてあるので分かりやすいかも。

おさえるところをまとめてあったのも良かった。以下の文章は印象的だった。

『富裕層の方に「医療保険に加入して1ヶ月入院後に30万円の振込みがあったら、どれだけ助かるだろう?と想像してみてください」というとほとんどのお客様が、「医療保険に入るのはやめておきます」とおっしゃいます』