イーグルに訊け―インディアンの人生哲学に学ぶ

2003 飛鳥新社 天外 伺朗, 衛藤 信之

 

「人間が命の糸を編んでいるのではない。人間はその中の一本の繊維にすぎない」

古来の価値観を守って生きているインディアンを取材し、インディアンの世界観を噛み砕いて説明する。そこからバランスが崩れた現代の資本主義社会が置いていった価値を省みる。パイプセレモニー、サンダンスなどの伝統文化も紹介されている。

イロコイ五部族に伝わる、氷河期から紀元前1000年くらいまでを歌い継いでいる「一万年の旅路」という歌はぜひ知りたい。中国系アメリカ人の犯罪率が低いという話も面白かった。ウィルパーのいわゆる西洋文化に根ざした理論でインディアン文化を分析するのは変である。同化政策などの悲惨な歴史にも触れていて良かった。しかし衛藤先生の壮絶な幼少体験を乗り越えて生きている姿が一番印象的だったかもしれない。

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