モーターサイクル・ダイアリーズ 通常版

2005 ウォルター・サレス ガエル・ガルシア・ベルナル, ガエル・ガルシア・ベルナル, ロドリゴ・デ・ラ・セルナ, ミア・マエストロ

 

キューバの革命の一翼を担ったチェ・ゲバラの若き日に実際にしたと言われている南米放浪旅行を描いた作品。裕福な家に生まれた純粋な彼がした行き当たりバッタリの貧乏旅行が、結果的に彼を革命の使徒に変える。

まず映像が素晴らしかった。エピソードは少し貧弱な感じもする。主人公がかっこよかった。どうも多国語を話せるらしい。前半と後半の表情が違っている。うまい。助演の男優は実はゲバラと血縁関係があるらしい。

たぶん感受性の強かったのだろうゲバラ氏はこの旅行をしなくても強い問題意識を持つようになったのだと思う。それにしても南米の広い空の下をバイクで走りたい。ペルーで列車に乗り、山間の広大な草原を抜ける時に、遠くから犬が列車に走り寄って、うれしそうに併走していた光景を思い出す。何故か昔から南米にあこがれる。

Good Luck

2004 ポプラ社 アレックス・ロビラ, フェルナンド・トリアス・デ・ペス, 田内 志文

 

実家に転がっていたので1時間くらいで読んだ。
「運」についての読みやすい物語です。経営コンサルタントが書いているから経営の本とも取れるけど、他のことについてもこの物語の教訓を生かせるでしょう。
やっぱり、、、
あなたはこの読んで終わる人か、準備を始める人か?そこが問題ですよん。

新源氏物語 (上)

1984 新潮社 田辺 聖子

 

以前、他の方の現代語訳を読んだが挫折してしまった。田辺さんが源氏物語を訳していると知って読んでみた。非常に読みやすく普通の小説の感覚で読めてしまうが、使われている言葉は趣を保っているところがすごい。平安の貴族の世界に浸り切れてしまう一冊。

個人投資家のための原油取引入門

2001 パンローリング 渡邉 勝方

 

最近高騰している原油について興味があったから読んだ。内容はQ&A形式になっていて平易でかつ実践的。用語が難しくはあるが先物取引が分からない人でも読み進められる。先物取引や原油の製造から市場に出るまでの流れもわかる。

イランを知るための65章

2004 明石書店 岡田 恵美子, 鈴木 珠里, 北原 圭一

 

イランについて、文学、芸術、宗教、文化、政治等な側面について、65章に分かれて書いてある。

監修者がイラン文学の研究者らしく文学、芸術に多数のページが割かれている。政治、経済が知りたかったがページ数的には少なかった。全体的に研究者によってかかれているような学術論文的な書き口で、ちょっと読みにくかった。

老子

1997 中央公論新社 老子, 小川 環樹

 

書き下し、漢文、日本語訳、訳注、(解説)の順に書いてある。文の意味が続かないところや、解釈に諸説あるような解説があったりして、訳者にも意味がわからないところがあるという姿勢が好感がもて、その意味が捉えられないことがあること自体が「老子」である気もした。「大器晩成」「上善水如」なども出てくる。

ヒンドゥー教と仏教―比較宗教の視点から

2001 ナカニシヤ出版 西尾 秀生

 

ヒンドゥー教と仏教とが成り立ち、発展の過程が主にインドの文化、風習の影響と共に説明されている。テーマにしてはわかりやすく、学術論文チックではない文体で読みやすい。
最後にはインドの近代思想家クリシュナムルティにも話が及んでいる。バラモン出身で階層や宗教を否定して新しい思想を広めたという点において釈迦と似ているらしい。この人の本も読んで見たいと思った。

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス

2002 ダイヤモンド社 エリヤフ ゴールドラット , 三本木 亮

 

物語仕立ての読みやすい経営の本。
1で向上をまかされて成功した主人公は2では副社長になっている。自分の所轄の3社が売却されるという危機にたたされるが、それを問題を解決するツールで乗り切っていく。
紹介されている思考プロセスを使って、まずは家庭の小さな問題を解決する。それから会社の問題に適用するという読者に分かり易くするための流れが作られている。こういう本は読んで終わりになりがちだが、ぜひ実践してみたい。

プライベート―仕事・恋愛・好き・嫌い 悲しいのはなんでかな

2002 マーブルトロン 佐藤 真由美, 枡野 浩一

 

柔らかく壊れそうな感性を感じます。
短歌という短い言葉のつながりの中に、筆者の鋭い視点から見た恋愛のせつなさ、悲しさが織り込まれています。けれど、それを滑稽に思っているような冷静な筆者が見え隠れします。
恋愛を目の前にしたよりも、一通りの恋愛をした人が共感できる本かもしれないですね。

赤頭巾ちゃん気をつけて

2002 中央公論新社 庄司 薫

 

青春小説。多感な学生が世界の根源的な問題に立ち向かいつつ、日常に感動する。知性とは何か?やさしさとは何か?何を指向して生きるべきか?真の問題に立ち向かわない世の中に烏合するべきか?
時代は違うが現代でも問題の本質はかわらず共感できる点が多い。迷える10代後半くらいの人や、昔迷っていた大人たちにお勧めかな。