1998 角川書店 山本 文緒
「私は好きな人の手を強く握りすぎる」離婚を経験した30過ぎの水無月が、弁当屋でのバイト生活のさなか、好きだった芸能人に出会う。そこから始まる女の熾烈を極める恋という名の戦いの物語。
依存体質の人の話かな?豪胆な男性はかっこいい。女だったら一度くらい遊ばれたい(かな?)主人公と母親との関係が興味深かった。母娘のテーマの本があった気がするが、読みたい。
1998 角川書店 山本 文緒
「私は好きな人の手を強く握りすぎる」離婚を経験した30過ぎの水無月が、弁当屋でのバイト生活のさなか、好きだった芸能人に出会う。そこから始まる女の熾烈を極める恋という名の戦いの物語。
依存体質の人の話かな?豪胆な男性はかっこいい。女だったら一度くらい遊ばれたい(かな?)主人公と母親との関係が興味深かった。母娘のテーマの本があった気がするが、読みたい。
1998 集英社 村山 由佳
大学生でバンドにせいを出す涯は大学の教師のマリコと深い仲になる。マリコは既婚者であり、いわゆる不倫の関係であるが、涯にとっては恋以外のなにものでもない。バンドのボーカルであり、涯の幼馴染の通称“うさぎ”はそれを心配するも不器用で、自分は恋を成就させることができない。バンドと恋と友情。青春ど真ん中ストーリー。
はじめの方はチープな少女小説のような印象。だが、少女小説よりも突っ込んだところまで描くことができるため、体を合わせることが悲しさを演出している。気付いたときには不器用なヒロインに没入していました。やっぱり女の子の方がよく描けているのかな。
2001 土屋豊, 雨宮処凛, 伊藤秀人
右翼団体に実際に属している(いた)雨宮さんを中心としたドキュメンタリー。右翼バンドもやっている。監督に渡されたハンディカメラでイジメられて居場所がなかった自身の話や右翼団体に入ったキッカケ。彼女はカメラを持って、北朝鮮へ行って思想を学んでくる。おまけに北朝鮮ではヨド号事件(右翼組織によるハイジャック)の関係者がお酒によって冗談とか言っているところまで撮影されている。ドキュメンタリーの撮影を通して変わっていく彼女が心境と共に綴られている。
ちょっとレビューに書こうか否か迷ったが、当時の話題作だったようなので、大丈夫と判断。。おもしろい。心情の吐露とか大好きだけど、社会との関係を築けない空虚感がある、生きているのだか死んでいるのだかわからない、リストカット、自分がない。そんな女性もカメラの前では普通に悩む女性。見れば見るほど普通に見えてくる。言っていることも理性的で自分や世界を冷静に理解している。たまに天皇がいないと生きていけない、とか言っているけど…。雨宮さんは親天皇、民族主義。監督は反天皇、個人主義派。この構図も面白いけど、雨宮さんは何か監督に恋心を抱く?!何気に編集や構成もしっかりしていて、起承転結になっているし、低予算。素晴らしいです。
つーか、ちょっと検索したら…。雨宮さんって有名なの?これを機に本も出版しまくっているみたいだ…。どれか読も。
2006
風希は母と6歳で別れ、母は東京にたつ。風希は沖縄で育ち、年に一度、誕生日に母から手紙をもらう。高校を卒業した風希は写真を勉強しに東京に来る。もちろん母に会うという目的もあったのだが…。涙なしには見られない感動のストーリー。
もちろん蒼井優さんは良い。というかメチャメチャ自然に泣いててビックリ。今まで見た中で演技が一番よかった。南果歩さんも母役として出ている。よいよい(^o^ ストーリはもう少し複雑でも良かったかも…。色やカットはキレイ。逆光ショット最高。何度か蒼井優さんの逆光ショットが出てくるがどれもキレイすぎ!額に入れて飾りたい!!
そういえば写真とサンシンやりたい。
2006 岩田ユキ, ハロルド松村, 宮野雅之 浅見れいな, 浅見れいな, 山本浩司, アキ, 松尾政寿
浅見れいなさんをフィーチャーしたオムニバス。いちおうヘアスタイルというものが意識されていて「おさげの本棚」「アフロアメリカン」「マッシュルーム」という異なる監督による3話。「ストップ・ザ・自分探し」というサブタイトルもつけられているようだ。
映像は「嫌われ松子…」などのスタッフがかかわっているらしくウマい。コンセプトをしらないで見たので、浅見れいなさんがすべてで主演していると気付かなかった。それくらいうまく異なる人格を演じ分けられていた。表情も豊かで、体の動かし方も演じ分けている。それぞれの短編の世界に没入できた。
1967 社会思想社 ルース・ベネディクト, 長谷川 松治
西洋人には奇妙に見える日本人の行動基準を人類学者ルース・ベネディクト女史が説明する。訳者のあとがきが昭和23年になっている。
日本も40年もたてば行動基準は変わるとは思うが、はっとさせられることが多く、基本的なところは変わっていないと思った。それにしても彼女のニュートラルなものの見方ができる才能が、ここまでバランスのとれた分析を可能にしたのかもしれないと驚いた。中国やアジアの文化にも精通している彼女が初めに言っていることもおもしろい。『徳と不徳は西洋人が考えているものとはまるで違ったものであった。その体系は全く独自のものであった。それは仏教的ではなく、また儒教的でもなかった。それは日本的であった』
義理や恩の概念なども客観的に分析されていて、今まで省みることがなかった概念を、なるほど、と思ってしまった。
2003 ジョン・バンダム ジョン・トラボルタ
ニューヨークの下町。将来には期待をもてないゴロツキ仲間がいる。その中の一人であるトニーはダンスの才能があり、週末のディスコがみなに賞賛される場である。トニーはディスコであったダンスのうまいステファニーにほれ込み二人でコンテストを目指す。
ダンス以外はストリーは実は暗い。みんな問題を抱えている。けど、そういう印象が薄くなるほどダンスとバックの音楽がエネルギッシュだ。最後は爽やかに終わる。残念ながら日本でも普遍的なテーマになりつつあるんじゃないかな。
年度: 2006 国: アメリカ 公開日: 2006年7月22日 大人気少女コミックがついに実写映画化。甘酸っぱい青春の時が、美しい映像になって新しいハチクロ世界を構築
美大を舞台にした恋愛+青春。それぞれが片思いをかかえている。
原作を知らずに見に行ったが、うーん。俳優とか演技とか舞台とかよかったが、やっぱり入りきらなかったのかな。ちょっと因果関係がわかりにくかったところもあった。蒼井さんはちょっと合なかったんじゃないかな。蒼井さんに脚本を合わせた方がいいんじゃないのかな、とか言ってみる。商業的には成功して欲しいので星を増やす、汗。次の映画化はのだめかな?
2000 草思社 トーマス フリードマン, Thomas L. Friedman, 東江 一紀
レクサス=グローバリゼーションの象徴。オリーブの木=文明や個々人の文化やアイデンティティの象徴。レクサスとオリーブの木のせめぎあいを、筆者自身が見聞きした小さいエピソードの集合によって描いた作品。相手は中東のインターネットカフェであった若者からグリーンスパンまで様々。筆者のフリードマンは“継続可能な”グローバリゼーションを指向している。グローバリゼーションは貧富の格差を助長するが、最低の生活を底上げすることができるもので、かつ、腐敗した政治などを壊す力もある。しかし、グローバリゼーションによってマクドナルドがどこにでもあるというように、世界が均質化してしまうことはさみしいことで、オリーブの木は必ず必要なものであるとも。いずれにしてもグローバリゼーションは通信技術に裏打ちされているもので、衛星放送、電話、インターネットなどによって相互に情報が行きかうことで人々がより良い外の世界を知ることができるために、それを止めることはできない。
たまたま見つけた黒川清先生が薦めていた本の中に入っていたので遅ればせながら読んでみた。マクドナルドがある国同士は戦争をしない、という直感的に法則を提言があったり面白い。永続的な持続にはセイフティネットが必要だという説は私がグローバリゼーションをイメージしたときには対極にあるものだと思っていたが、そういうものではないらしい。たしかにインターネットを初めとした昨今の著しい通信技術の発達がある限り、グローバリゼーションという世界が相互に接続する仕組みを止めることはできないと思う。エピソードにもあったがグローバリゼーション反対の運動すらもインターネットを通じてグローバルに行われているという状態である。アメリカ文化の流入だけでなくて逆流もあるということだったが、たしかに日本のアニメ文化が世界に広まったりしているし、アメリカ以外の地域との接続による文化の相互作用もある。これは均質化ではなく相互作用だ。これがパクス・グローバリアーノに結びついてくれれば良いと切に願う。
1981 社会思想社 パール・バック, 刈田 元司
旧約聖書を読みやすくした翻訳本。作者は「大地」のパールバック(大地はカナリお薦め)。アダム、ノアの箱舟、アブラハム、モーゼの出エジプト、ダビデとゴリアテの対決、その後ダビデが王になる、などのエピソードがつづられている。イスラエル、ユダヤ人の歴史がわかる。始めの方は放牧生活を中心としているが、後のほうは国と戦争の話が主になっているような印象。
叔母から「旧約聖書は人類の闘争などの歴史のすべてが書いてある」と以前聞かされたので読んで見たいと思っていたが、やっと簡易版を読むに至った。どうだろう。少なくても簡易版を読んだ限りでは人類の普遍的な大きな流れを感じるとまではいかなかった。けれど旧約聖書そのものだと筋を追いにくいようなイメージがあるが、こちらは普通に物語していてサラサラ読める。
物語の始めの方で「遠方から嫁いで来たリベカはラクダの上から、遠くに夫となるイサクを見とめると、結婚式まで顔が見れないようにベールをした」との記述があったが、この遊牧民族の風習が2000年以上の月日を越えて、今も教会で行われていて日本人が真似をしていると思うと壮大さと滑稽さが入り混じる。出てくることは知っていたがレンズ豆のスープも登場。女性が子供をもうける箇所で「○○が新しい国民を生んだ」みたいな記述が使われていたが、一人の子供が国民になるというスケールのデカさにビビッた。ほかには、、、従わないものをやたらに殺している気がした。モーゼも隣人を殺すべからずみたいな十戒を受けておきながら、一緒に逃げてきたけど十戒に従わない人たちを皆殺しにしている…汗。あと主からの飢えを凌ぐために謎の食物“マナ”が毎朝降ってきた、とあったがこれはいったい何だろう。マナ食べたし。
歴史としてはイスラエル国とユダ国という二つの国に分かれてイスラエル国は滅びた、という過去にはちょっとビックリした。その後、ユダ国も征服されるが、その国民は捕虜になるが彼らをユダヤと呼ぶというのも知った。ユダヤ民族は過去によく捕虜になっているが、どうも占領国の中枢に入って行くのがうまいように感じた。それでいて自分の国を運営するのはあまり得意でないような印象を受けた。いずれにしろ、世界で重要な地位にいるユダヤ民族をもう少し学びたい。旧約聖書はユダヤ教キリスト教イスラム教の聖典なので一度で3度美味しい(?)ので、やはりもう少し詳しい旧約聖書の簡易版をまず読んで、その後にオリジナルかな。