マネー・ショート 華麗なる大逆転 (原題: The Big Short)

2015 パラマウント映画 アダム・マッケイ

登場人物

マイケル・バーリは元医者でファンドマネージャー。かなり変わり者である。マーク・バウムは世の中の矛盾や不正を暴くのが好き。ジャレド・ベネットはドイツ銀行の社員。住宅市場には懐疑的。

物語の始まり

マイケルは住宅ローンをまとめた債権に問題があることを見抜く。空売りをしようとするが相手を探すなかでゴールドマンサックスやドイツ銀行などが受けいれてくれる。売った方は笑いが止まらない。総額13億ドル。マークは間違い電話からマイケルの動きを感知する。ドイツ銀行のジャレドを尋ねて、住宅ローンは破綻寸前という分析を披露され債権の空売りの売り込みを受ける。マークは大急いで住宅市場を調べ始める。実際に貸し手と借り手に話を聞いてバブルだと確信する。また独自にこの市場に辿り着いた若手個人投資家もつらなる。しかし、誰もいつ住宅市場が破綻するかは分からない。。。

テーマ

嘘だらけの金融市場。市場は真実に収束する。曇りなき眼で真実を見通す力がいる。また耐える力。

最後に

住宅市場の結末を知っている私たちでも手に汗握る。当事者はどんな感じだったのだろう。資料から真実に辿り着く人や、現場から真実に辿り着く人など、様々。とにかく事実がベースとなっているのでおもしろい。投資をしている人はぜひ見て欲しいかも。

クレイマー、クレイマー (原題: Kramer vs. Kramer)

1979 コロンビア ピクチャーズ ロバート・ベントン

名作なのでみた。さすが名作。父子家庭をテーマにした物語。

登場人物

テッドはニューヨークで働くサラリーマン。仕事一筋で生きてきた。妻のジョアンナは家事と子育てを一手に引き受けている。

物語の始まり

ジョアンナは何か自分が打ち込める仕事をしたいと夫テッドに相談を持ちかけるが、向かい合わない。ジョアンナはテッドに別れを告げてきた。テッドは冗談だと思っていた。翌日会社から自宅に電話をかけても誰も出ない。その日からテッドの生活は一変し、5歳の息子ビリーと父子二人きりの生活を始めるが、テッドは以前と同じようにはとても働けないことに気づいていく…。

テーマ

結婚がテーマの気もするが、結婚生活はほとんど出てこない。むしろ、テッドと息子との一変した父子家庭の生活がテーマ。父子生活の大変さもテーマだが、子供と向き合うことの楽しさにもフォーカスしている。

最後に

子育てをすると、子供というのはもちろん大変さもあるけど、楽しい。新しく成長していく人間と接するのは幸福なことだとも思う。仕事に打ち込みすぎなお父さんにはぜひ見てほしい!Happy wife, Happy life.という言葉あるが、子供も入れて、Happy family, Happy life.だと思う。

ソルト (原題:Salt)

2010 コロンビア ピクチャーズ フィリップ・ノイス

アンジェリーナジョリーに惹かれてみた。

登場人物

ソルトはCIAに所属する女性諜報員であり北朝鮮に拘束される。夫のマイクの熱心な保釈に向けた活動により、捕虜交換という形で釈放される。テッドはソルトのCIAの上司。

物語の始まり

ソルトの夫であるマイクの誕生日に突然、ロシアからの亡命者オルロフがCIAに出頭する。ソルトが尋問するとオルロフは、幼少期から特殊な訓練を受けたロシアのスパイがアメリカに潜入していることを話し始める。そのスパイの一人がアメリカ副大統領の葬儀でそこに出席するロシア大統領を暗殺すると話し、そのスパイの名は「イヴリン・ソルト」であると告げる。
 尋問を聞いていたCIA防諜部の人はソルトが二重スパイではないかと疑うが、ソルトや上司のテッドは否定する。家にいるはずの夫マイクと連絡がつかないことが分かった彼女は、マイクの安否を確認するために自らもCIAから逃走を始める。

テーマ

愛と復讐ではないだろうか。夫マイクへの愛がソルトに新しい生きる意味を与えた。

最後に

残忍さも少しあるスパイ映画だが、逃走劇は手に汗握る。ソルト役のアンジェリーナ・ジョリーのアクションも見どころ。現実から逃避したくて、熱くて息つく暇もないアクションを見たい人にはおすすめです!

ワンダー 君は太陽 (原題: Wonder)

2017 ライオンズゲート スティーブン・チョボスキー

ネトフリにあったから見てみた。

登場人物

オギーは顔の形が変形している病気で、27回の手術を受けている。小学5年生になり容態が安定して学校に通うようになる。ジャック・ウィルは差別なく接してくれる。ジュリアンは大人にはいい顔をする、いじめっこ。

物語の始まり

オギーは親が心配するなか、中等部に転入する。オギーの顔を見たクラスメートは予想通りの微妙な反応をする。学内を案内してもらう。ジャック・ウィルはフェアに接してくれるが、ジュリアンは優しくないとわかり、やりかえす。家に帰ると両親から学校のことを聞かれる。母イザベルはジュリアンを許してやれという、一方、父ネートはやられたらやり返せという。それでもオギーは学校に行きたいと言って両親を驚かす。しかし、授業で頭角を表すようになると、いじめられるようになる、、、

テーマ

人と違いこととはどんなことか。多様性を受け入れるというのはどんなことか。病気を持つ人がいる家族はどんなのか。

最後に

人ななぜか違うものを排除しようとする。それはDNAレベルでそれを望んでいることだからなのか。人が集団の団結を維持するために発達してきた機能なのか。しかしそのDNAは現代でも必要なのだろうか。今は人の気持ちや命を何とも思わないで金儲けしようとしようとするような輩を本能的に排除するべきだと思う。違いことを受け入れる世の中になるように多くの人に見てもらいたい!

ゼロ・グラビティ (原題:Gravity)

2013 ワーナー・ブラザース アルフォンソ・キュアロン

登場人物

ライアン・ストーン博士は医師として宇宙のミッションに参加している。マット・コワルスキーは同僚。

物語の始まり

ライアンはマットとともに船外で作業をしていた。爆破した人工衛星の破片が飛びちり、連鎖的に人工衛星の破壊が起こる現象が発生した。その破片はライアンのエクスプローラーも襲い、ライアンはマットとともに逃げようとしたが巻き込まれて、ライアンは宇宙空間に飛び出してしまう。なんとかライアンに助けられエクスプローラーまで戻るが破壊されていて使い物にならない。ライアンはマットとともに離れたところにある国際宇宙ステーションISSに向かうが、、、

テーマ

絶体絶命の危機でも冷静に生き延びていく強さ。仲間や家族を失うということ。宇宙の怖さ。死と孤独。生きる本能のようなものも見ることができたのか。

最後に

生と死がすぐ近くにある過酷な宇宙。そんな状況でライアンは必死で生還しようとする。手に汗握る物語。宇宙から見たら地上の問題は小さく見えるかも?生き抜く強さを得たい人にはおすすめです!

恋愛小説家 (原題: As Good as It Gets)

1997 トライスター ピクチャーズ ジェームズ・L・ブルックス

登場人物

メルヴィンはマンハッタンに暮らす中年の売れっ子小説家だが、強迫神経症で自己中心的で差別的な人間であった。潔癖症でひとり暮らしである。キャロルは行きつけのレストランのウエイトレスで、喘息の子供がいる。隣人のサイモンは画家で、子犬を買っている。

物語の始まり

メルヴィンは隣人のサイモンと折り合いが悪く、迷い込んできた飼い犬をダストシュートに入れてしまう。そんなメルヴィンはいつものようにレストランに行く。偏屈なメルヴィンはキャロルしか相手にしてくれない。隣人サイモンはモデルになる男性を部屋にいれるが、悪い仲間を入るように手引して、強盗を働く。それに気付いたサイモンは強盗に暴行され入院することになってしまう。子犬を見る人がだれもおらず、メルヴィンはサイモンが入院している間に面倒をみることになってしまう。子犬と一緒に暮らしはじめると一人のときよりも楽しく暮らせるようになっていく。

テーマ

孤独な偏屈な中年の変化。人間性と作品は関係ない。金持ちの男性に弱い女性が尽くすというようなミソジニーの構造もある。

最後に

ジャック・ニコルソンの独特の演技が光る作品。キャロル役のヘレン・ハントが美しくて見とれてしまう。病気で素直な言動ができない人もいるのかもしれない。嫌なジャックがキャロルを美しくしている気もするし、カメラマンが気合をいれて撮っているのかもしれない。複雑な人間が描いているからか、なんか好きな映画である。

斉木楠雄のΨ難

2017 プラスディー 福田雄一

超能力をもっている斉木を中心としたブラックコメディー。漫画・アニメとは独立したストーリーの映画。

登場人物

斉木楠雄は幼少期から超能力をもつ高校生。平穏で目立たない高校生活を望んでいる。照橋心美は誰もが憧れる高校のヒロイン。斉木のことが気になっている。燃堂力は何も考えていない筋肉キャラ。海藤瞬は厨二病。

物語の始まり

斉木楠雄が幼少期から超能力を持っていたことを振り返る。今は高校生になっていて超能力を隠して暮らしている。高校では文化祭が開催されるが、問題が起こると文化祭がなくなってしまうために、斉木が先回りして問題を未然に防ごうとするが、、、

テーマ

典型的だが濃ゆいキャラクターたちが織りなす学生生活。人が本当に考えていることと行動のちがいがブラック。何でもできるような超能力をもっていていも持て余す友人たち。おもしろい。

最後に

超学生高学年くらいでも面白いかも。オリジナルストーリーながら濃ゆいキャラクターがうまく噛み合っていて、見ごたえがあった。映画に関しては主人公役の山﨑賢人や海藤役の吉沢君がかっこいい。そういうところだけでも見てみても良いかも。ぜひぜひ見てみてくださいませ。

さぼリーマン甘太朗

2017 テレビ東京 Netflix 守屋健太郎/石田雄介/髙島夏来

ネトフリで激推されていたので、みた。

登場人物

飴谷甘太朗は出版会社のシステムエンジニアから営業部に転じた。甘味が好きで平日も食べるためである。三宅は部長で熱血上司である。

物語の始まり

甘太郎はあんみつを食べたくなる。部長から一緒に書店周りを持ちかけられるが、あんみつを食べるために一人で行くこと希望する。人形町の7件の書店を2時間で回ることを命じされる。なんとか7軒を手早く回った甘太郎は甘味処に入店し、あんみつを注文し、舌鼓を打つ。

テーマ

孤独のグルメの甘味版。甘太郎が甘味処を回る。他の社員との絡みもあり、孤独のグルメよりもいろいろある。あと結構、甘味フリークな貫太郎が変態的に描かれているところも見どころなのかも。

最後に

普段はあまり「あんみつを食べに行こう!」とか「ケーキを食べに行こう!」とならない。甘太郎を見ていると食べたくなってくる。甘党でない人にもおすすめかも!

カメラを止めるな!

2017 PANPOKOPINA 上田慎一郎

傑作として名高いが、ネトフリにあったので見てみた。二段構えの展開が斬新。

登場人物

日暮隆之は映画監督でゾンビ映画をとっている。

物語のはじめ

とある郊外の廃墟で、ゾンビものの自主映画の撮影が行われていた。その建物には、かつて日本軍が死体を蘇らせる実験をしていたという、忌まわしい都市伝説があった。クライマックスシーンの撮影中、監督はヒロイン役の女優・千夏の演技に本物の恐怖が足りないと苛立ち、建物の屋上に血糊で禁忌のサインを描く。すると、カメラマンが血まみれのゾンビと化して、ほかの撮影スタッフも次々と犠牲になっていく。ゾンビから逃げ延びることはできるか?

テーマ

映画撮影の裏側や演技などがテーマなのかな?この映画の制作の裏側自体がテーマというか。ある意味、三段構えになっている映画なのかも。

最後に

展開がスリリングで誰がみても面白い映画。すべてが伏線になっていて、それを回収していく。見たことない人はぜひ見るべき!

恋するアプリ Love Alarm

2019 スタジオドラゴン

登場人物

キム・ジョジョは幼いころに両親をなくしている高校生。学校では修学旅行に参加しなかったり、給食を食べなかったりと、バイトをしながら貧しく暮らしている。ファン・ソノはイケメンモデルで政治家の息子。お金持ちだが満たされない。イ・ヘヨンはキム・ジョジョを好きで一緒の場所でバイトをしたりしている。ヘヨンの母ファンの家に住み込みで働いていて、ヘヨンはソノと同じ家に住んでいる。

物語の始まり

へラブアラームという自分を好きな人が10mいないに来たら分かるシステムが開発された未来。ジョジョは友達には塾に行くと行って分かれるがバイトに行く。ジョジョとヘヨンは同じ焼肉屋でバイトしているが、その帰りにヘヨンはジョジョをこっそりと尾行して盗み見てから返ってくる。たまたまそのときに久しぶりに韓国に帰国して居合わせたソノはヘヨンとジョジョを目撃する。ヘヨンとソノは一緒に寝るが身分が違う。翌日にソノが登校すると女性の目を集める。ソノはジョジョを見かけ、ヘヨンが好きなジョジョをソノは気になりだす。

テーマ

貧富の差が色濃く描かれている作品。貧しさ。片思い。心理とアプリがつながっていてくるのが見せてくる。ジョジョの過去の謎。ラブアラームの謎。謎が展開を引っ張る物語。

最後に

ジョジョ役のキム・ソヒョンが可愛いが、ソノもかっこよく印象的な顔立ちだ。そんな二人のやり取りや片思いのヘヨンと、ラブアラームの関係はぐっと引き込まれる。貧富の差の描写も生々しく物語の縁に陰影をつけ、ラブストーリながら甘くない味付けにしている。とはいえ学園モノのラブストーリーがベースにあるので、きゅんきゅんも楽しみたい人にもオススです!