2006 岩波書店 橘木 俊詔
統計によると格差が増加している。母子家庭、単身高齢者、若者。所得格差によって生産性は変わらない。効率性と公平性のトレードオフは両立しない。最低賃金の是正。日本の公的教育支出は世界最低レベル。日本の生活保護基準は厳しいすぎる。税の累進性の低下。逆進性の高い消費税。
兎にも角にも多様性流動性の高い活力ある社会。エントロピーを下げ続けない民族は滅亡する、と思う。
2006 岩波書店 橘木 俊詔
統計によると格差が増加している。母子家庭、単身高齢者、若者。所得格差によって生産性は変わらない。効率性と公平性のトレードオフは両立しない。最低賃金の是正。日本の公的教育支出は世界最低レベル。日本の生活保護基準は厳しいすぎる。税の累進性の低下。逆進性の高い消費税。
兎にも角にも多様性流動性の高い活力ある社会。エントロピーを下げ続けない民族は滅亡する、と思う。
2006 文芸春秋 坂本 敏夫
実際の死刑の現場、イメージ。死刑までの過程。死刑囚の立場。構成した死刑囚。裁判で演技する被告。死刑を反対する遺族。法務省キャリア官僚。荒れている刑務所の所長。いろいろな側面から書かれていて興味深かった。
以前「もりのあさがお」を読んだときに買った本。死刑は賛成の立場で読んだ。なんにしろ刑務官の負担が大きい。心の優しい人ほど負荷が大きい。あまりにも悲しい。死刑制度を支えてくださって、本当にありがとうございます。
2004 岩波書店 西川 潤
…「追いつけ追い越せ」というキャッチアップ精神の下にナショナリズムが強調され、国民動員がはかられた。かつて、この精神は軍国主義の土台となった。戦前には、異なる意見は「非国民」としう言葉の前に弾圧された(しかし、最近もイラクでの日本人ボランティアらの拉致事件に際して、同じものの見方が「自己責任」と言葉を変えて、政府高官らから投げかけられたのをみると、いかに、この偏狭なナショナリズムが私たちのメンタリティの底に残っているかを痛感させられる)。…
世界経済の入門書…ってヒドイ説明。
1)21世紀初頭の世界経済
グローバル化と地域化
貿易の流れと自由貿易協定
多国籍企業と海外投資
国際通貨体制と円
2)地球経済の諸要因
世界人口はどうなる?
食糧問題のゆくえ
エネルギーと資源
工業化と公害・環境
3)世界経済の将来と日本
南北問題と地域秩序
グローバル化、軍事化と市民社会
新しい豊かさを求めて-日本の選択
網羅的かつ示唆的で大変良かった。Updateを繰り返しているようなので、次のものもぜひ読みたい。現行の経済体制を指示する立場でなく、世界をもっと鳥瞰している。
1983 新潮社 遠藤 周作
今はキリスト教から離れて久しい主人公がエルサレムを訪れて、イエスの生涯を追うという物語。現在の旅行と、当時イエスに関係した人の物語が交互に語られる構成。「イエスの生涯」と表裏をなす作品とのこと。
遠藤周作のイエス観、ここに極れり、といった感じ。無力で線が細く恐れ怯えるイエスが徹底的に描かれている。以前に「パフォーマーだった」というイエス観を見たことがあるが、どちらかというと、この駄目駄目イエスの方が良い。もしかして、歴史上屈指の「痛い人」だったんじゃないかとも思ってしまうほど。だが、それがいい。
1968 新潮社
「ティファニーで朝食を」を初めとする4つの短編を収録。
「ティファニー…」は映画を見たことあるけど覚えておらず。小説とはぜんぜん違うとのこと。「わが家は花ざかり」はいいかなーと思った。
2000 新潮社 フローベール, 生島 遼一
虚栄心が強く、夢見がちなエマが不倫や散在の末、破産に至るまでを描いている。
文章も読みにくいし、おもしろくないです。
1957 岩波書店 コクトー, 鈴木 力衛
「この愛情は、愛情についての知識に先立つものだけに、いっそう彼の心をむしばんだ。それは救いようのない、漠然とした、強烈な苦しみであり、性欲も目的も伴わぬ清浄な欲望であった。」
孤児のエリザベート、ポールは現実と乖離したその世界に浸る。ジェラール、アガートも加わり、愛憎の中で繰り広げられる悲しい物語。
こてこての描写は良いのだけど、その描写ごしにしか物語を感じることができなかったので、感情移入が難しかった。物語そのものは美しいと思うのだけれども。
1982 新潮社 遠藤 周作
「イエスの奇蹟物語が長い歳月を経て作られたものではなく、彼の死後、ほとんどただちに人々の間に語られたという事実を否定することはできない。」
イエスの死後、ステファノ、ポーロといった強烈な個性がキリスト教を形作り、広めていった様子を描いた作品。
一番強烈だったのはローマ人の物語にもあったと思うが、エルサレムの陥落だ。そんな体験をした民族はより強いアイデンティティを持つにいたると思う。また遠藤氏は不信の危機に何度もさらされていたのだろう。それが作品を生み出すエネルギーに昇華されたのかもしれない。
榊原 英資 日本経済新聞出版社 2008年11月
第一章、日本は世界一豊かな国で世界の先頭を走っているから、どの国かを真似して問題を解決することはできない。第二章、マクロ経済学でなく、確率的な複雑系。第三章、デフレの原因は民間セクターによる東アジア経済圏高構築のため。第四章、円高バブル。第五章、資源政策、農業政策の強化、消費者庁はいらん。第六章、日本を世界の金融拠点に。第七章、原子力、政府による経済コントロールの限界。
やっぱり橋本龍太郎氏の政策をもっと勉強したい。
谷腰 欣司 日刊工業新聞社 2002年5月
モータについて、概要、しくみ、種類、選び方、などが包括的に書かれている本。
ちょっと一般的すぎたかもしれない。雑学編でおもしろいものを見つけた。走磁性細菌。北半球の細菌や北極へ、南半球の細菌は南極へ、移動しつづけるのだとか。