世界経済入門

2004 岩波書店 西川 潤

 

…「追いつけ追い越せ」というキャッチアップ精神の下にナショナリズムが強調され、国民動員がはかられた。かつて、この精神は軍国主義の土台となった。戦前には、異なる意見は「非国民」としう言葉の前に弾圧された(しかし、最近もイラクでの日本人ボランティアらの拉致事件に際して、同じものの見方が「自己責任」と言葉を変えて、政府高官らから投げかけられたのをみると、いかに、この偏狭なナショナリズムが私たちのメンタリティの底に残っているかを痛感させられる)。…

世界経済の入門書…ってヒドイ説明。

1)21世紀初頭の世界経済
グローバル化と地域化
貿易の流れと自由貿易協定
多国籍企業と海外投資
国際通貨体制と円
2)地球経済の諸要因
世界人口はどうなる?
食糧問題のゆくえ
エネルギーと資源
工業化と公害・環境
3)世界経済の将来と日本
南北問題と地域秩序
グローバル化、軍事化と市民社会
新しい豊かさを求めて-日本の選択

網羅的かつ示唆的で大変良かった。Updateを繰り返しているようなので、次のものもぜひ読みたい。現行の経済体制を指示する立場でなく、世界をもっと鳥瞰している。

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