菊葉荘の幽霊たち

2000 角川春樹事務所 角田 光代

 

典子と吉元は吉元の新しい部屋を探しに行く。吉元は菊葉荘を気に入ったが、あいにく空室がなかった。職にあぶれていた典子は、菊葉荘の住人を追い出す作戦を開始する。極度にセパレートされた都会人の生活にスポットをあてた作品。

角田さんはテレビで何度か見たことがあった。「小説家であり続けるために小説を書いている」と言っていたのが印象的だった。読んでみると、期待したとおりの作品だった。ふわっとして、ストーリーはとりとめがない。けれど、じんわりと痛快で、テーマがしっかりあり、現代人の空虚感にズバッと切れ込んでいく。もっと他の作品も読まないとダメですね。

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