イスラーム生誕

2003 中央公論新社 井筒 俊彦

 

「ムハンマドは私の青春の血潮を沸き立たせた人物だ。一生の方向を左右する決定的な一時期を私はこの異常な人の面影とともに過ごした。(中略)その頃の私に、ムハンマドのことを忘れる暇などはありようもなかった。しかも精神的世界の英雄を求めて止まなかった当時の私の心は、覇気満々たるこのムハンマドという人物の魁偉な風貌に完全に魅了されていたのだった。」

井筒氏によるイスラームについての書籍。「ムハンマド伝」「イスラームとは何か」の2部構成。

ムハンマド伝は若いときに書いたものということだったが、熱い文体で書かれていた面白かった。ムハンマドという人物をより知ることができたような気がしている。(宗教的なところは度外視して、生物的に)同じ人間なのに1千年後の世界を左右しているという影響力は計り知れない。不思議すぎる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です