斜陽 (1950年)

新潮社 太宰 治

 

『もう一度お遭いして、その時、いやならハッキリ言って下さい。私のこの胸の炎は、あなたが点火したのですから、あなたが消して行って下さい。私ひとりの力では、とても消す事が出来ないのです。とにかく逢ったら、逢ったら、私が助かります。万葉や源氏物語の頃だったら、私の申し上げているようなこと、何でもない事でしたのに。私の望み。あなたの愛妾になって、あなたの子供の母になる事。』

没落貴族の家庭を舞台にした悲しい物語。

他の本が読み進まないからと、手にとったら、グイグイと読まされてしまった。読みやすく美しい文体が気持ちよい。

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