浅草キッド

2021 Netflix 劇団ひとり

ビートたけしの小説を元にした映画。予算もあるNetflix映画だし柳楽優弥が出演していたので気になってみてみた。

登場人物・世界観

 ビートたけし(柳楽優弥)は何かをしたいがきっかけを掴めない。深見千三郎(大泉 洋)は舞台上からお客をもたしなめるような頑固なコント芸人。ときは1970年前後でテレビが普及しだしカラー化し始めている。時代の上昇気流を感じられるような空気が漂う。その一方で古いメディアであった劇場などからは客足が少しづつ遠のいていく。

物語の始まり

 大学生活に馴染めないでいたビートたけしは、浅草にあるストリップ劇場のフランス座で、芸人見習い志願としてエレベーターボーイを始める。座長であった深見千三郎は芸人になりたいと言うたけしに少しづつタップダンスを教えて試していく。ある日、たけしが練習しているところを見た師事はその成長を評価し、前座芸人としてコントに出演させる。たけしは舞台で徐々に頭角を現していくが、テレビでの漫才ブームにあやかりたいとフランス座を飛び出す。コントを捨てて、きよしと漫才コンビを結成するも、思うようにはいかない。

テーマ

 テーマは師弟の絆であろう。深見千三郎は弟子を思って食事に誘ったり、先行きを心配したりする。一方のたけしは破門されても師匠として慕う。「師弟関係」というものの重さがよく理解できた。いろいろなところに現れていたと思う。

 深見千三郎とビートたけしのやり取りなどは粋だし、こんな師匠に付いていきたい!と思わせる温かい師匠像である。ふと師弟の絆と書いたが、そもそも絆は師弟の中に組み込まれているのかもしれない。

最後に

 見どころは柳楽優弥演じるビートたけしだと思う。モノマネではないけど似ているし、何か全体的な不器用な感じに親近感が湧く。ストリップ劇場や当時の風景などをしっかりと捉えていてあの時代に没入できる。ただ後半に向かって感動させるぜ!という演出が強い気もして、もう少しサラリとしていたも良かった。とはいえ、1970年代の雰囲気の中で、すでに伝説となっているビートたけしの半生に迫っていて素晴らしかったし、タップダンスも素晴らしかった。

 ビートたけしを知っている人は見て損のない作品である!ビートたけしを知らない人はあまりいない気もする。

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