ゼロ・グラビティ (原題:Gravity)

2013 ワーナー・ブラザース アルフォンソ・キュアロン

登場人物

ライアン・ストーン博士は医師として宇宙のミッションに参加している。マット・コワルスキーは同僚。

物語の始まり

ライアンはマットとともに船外で作業をしていた。爆破した人工衛星の破片が飛びちり、連鎖的に人工衛星の破壊が起こる現象が発生した。その破片はライアンのエクスプローラーも襲い、ライアンはマットとともに逃げようとしたが巻き込まれて、ライアンは宇宙空間に飛び出してしまう。なんとかライアンに助けられエクスプローラーまで戻るが破壊されていて使い物にならない。ライアンはマットとともに離れたところにある国際宇宙ステーションISSに向かうが、、、

テーマ

絶体絶命の危機でも冷静に生き延びていく強さ。仲間や家族を失うということ。宇宙の怖さ。死と孤独。生きる本能のようなものも見ることができたのか。

最後に

生と死がすぐ近くにある過酷な宇宙。そんな状況でライアンは必死で生還しようとする。手に汗握る物語。宇宙から見たら地上の問題は小さく見えるかも?生き抜く強さを得たい人にはおすすめです!

恋愛小説家 (原題: As Good as It Gets)

1997 トライスター ピクチャーズ ジェームズ・L・ブルックス

登場人物

メルヴィンはマンハッタンに暮らす中年の売れっ子小説家だが、強迫神経症で自己中心的で差別的な人間であった。潔癖症でひとり暮らしである。キャロルは行きつけのレストランのウエイトレスで、喘息の子供がいる。隣人のサイモンは画家で、子犬を買っている。

物語の始まり

メルヴィンは隣人のサイモンと折り合いが悪く、迷い込んできた飼い犬をダストシュートに入れてしまう。そんなメルヴィンはいつものようにレストランに行く。偏屈なメルヴィンはキャロルしか相手にしてくれない。隣人サイモンはモデルになる男性を部屋にいれるが、悪い仲間を入るように手引して、強盗を働く。それに気付いたサイモンは強盗に暴行され入院することになってしまう。子犬を見る人がだれもおらず、メルヴィンはサイモンが入院している間に面倒をみることになってしまう。子犬と一緒に暮らしはじめると一人のときよりも楽しく暮らせるようになっていく。

テーマ

孤独な偏屈な中年の変化。人間性と作品は関係ない。金持ちの男性に弱い女性が尽くすというようなミソジニーの構造もある。

最後に

ジャック・ニコルソンの独特の演技が光る作品。キャロル役のヘレン・ハントが美しくて見とれてしまう。病気で素直な言動ができない人もいるのかもしれない。嫌なジャックがキャロルを美しくしている気もするし、カメラマンが気合をいれて撮っているのかもしれない。複雑な人間が描いているからか、なんか好きな映画である。

斉木楠雄のΨ難

2017 プラスディー 福田雄一

超能力をもっている斉木を中心としたブラックコメディー。漫画・アニメとは独立したストーリーの映画。

登場人物

斉木楠雄は幼少期から超能力をもつ高校生。平穏で目立たない高校生活を望んでいる。照橋心美は誰もが憧れる高校のヒロイン。斉木のことが気になっている。燃堂力は何も考えていない筋肉キャラ。海藤瞬は厨二病。

物語の始まり

斉木楠雄が幼少期から超能力を持っていたことを振り返る。今は高校生になっていて超能力を隠して暮らしている。高校では文化祭が開催されるが、問題が起こると文化祭がなくなってしまうために、斉木が先回りして問題を未然に防ごうとするが、、、

テーマ

典型的だが濃ゆいキャラクターたちが織りなす学生生活。人が本当に考えていることと行動のちがいがブラック。何でもできるような超能力をもっていていも持て余す友人たち。おもしろい。

最後に

超学生高学年くらいでも面白いかも。オリジナルストーリーながら濃ゆいキャラクターがうまく噛み合っていて、見ごたえがあった。映画に関しては主人公役の山﨑賢人や海藤役の吉沢君がかっこいい。そういうところだけでも見てみても良いかも。ぜひぜひ見てみてくださいませ。

カメラを止めるな!

2017 PANPOKOPINA 上田慎一郎

傑作として名高いが、ネトフリにあったので見てみた。二段構えの展開が斬新。

登場人物

日暮隆之は映画監督でゾンビ映画をとっている。

物語のはじめ

とある郊外の廃墟で、ゾンビものの自主映画の撮影が行われていた。その建物には、かつて日本軍が死体を蘇らせる実験をしていたという、忌まわしい都市伝説があった。クライマックスシーンの撮影中、監督はヒロイン役の女優・千夏の演技に本物の恐怖が足りないと苛立ち、建物の屋上に血糊で禁忌のサインを描く。すると、カメラマンが血まみれのゾンビと化して、ほかの撮影スタッフも次々と犠牲になっていく。ゾンビから逃げ延びることはできるか?

テーマ

映画撮影の裏側や演技などがテーマなのかな?この映画の制作の裏側自体がテーマというか。ある意味、三段構えになっている映画なのかも。

最後に

展開がスリリングで誰がみても面白い映画。すべてが伏線になっていて、それを回収していく。見たことない人はぜひ見るべき!

チョコレートドーナツ (原題: Any Day Now)

2012 Music Box Films トラヴィス・ファイン

登場人物

ルディ・ドナテロはドラァグクイーンとしてナイトクラブで歌のパフォーマンスをしている。ポール・フラガーはゲイでナイトクラブに現れる。判事である。マルコ・ディレオンは隣人のダウン症の子供。

物語の始まり

ルディはいつものようにパフォーマンスしていると、熱い視線を注いでいるポールに気づく。別れ際にポールはルディに名刺を渡す。ルディは次の日に起きると部屋にマルコが立っている。母親が帰ってこないという。ルディはポールに電話して相談しようとするが取り次いでもらえず、直接に職場に乗り込んで事情を説明して助言を乞う。ポールは家庭局に電話しろというが、ルディは家庭局はひどい場所だとして、決裂する。家に帰ると家庭局が来ていてマルコは連れて行かれてしまう。ポートはルディと和解したくてナイトクラブを再び訪れる。お互いのことをもう少し知り合って和解する。ポールは世の中を変えるために法律を勉強して判事になったという。二人で車で走っている際に脱走したマルコに遭遇して、家に連れて帰る。結局マルコのことを通報されて同じところに住めなくなりルディとマルコはポールの家に転がり込む。

テーマ

家族!正義!マイノリティ。偏屈な周りの人達。なんで世の中ってこうなんだろうか?というような反応。

最後に

正義漢のルディにまけないくらいポールも正義漢である。しかし、なんとかするために二人は行動するが、現実はままならない。彼らがマイノリティであることも足をひっぱる。クラシックの名作である。正義漢あふれる人にはぜひみてほしい映画です。

魔法にかけられて 

2007 ディズニー ケヴィン・リマ

はじめはどこで見たのかAmazonだったのかもしれない。好きなので三回はみています。

登場人物

 ジゼルはおとぎ話の世界・アンダレーシアに住む麗しい乙女で、王子様との出会いを待っている。ロバートはニューヨークで離婚専門弁護士をしていて、妻は他界している。現実主義的な考えを持っている。その一人娘のモーガンもロバートに影響されて現実思考的である。アンダレーシアのエドワード王子はジゼルに会い結婚式をあげようとしたが、ジゼルがいなくなりニューヨークに乗り込む。

物語の始まり

 ジゼルはアンダレーシアでエドワード王子と結婚式に臨むはずだった。魔女に言われるがままに泉の底をみると、魔女に突き落とされて異空間に迷い込んでしまう。暗い場所から這い出すと、そこはニューヨークの交差点のマンホールであった。ジゼルは美しくない現実の世界であるニューヨークにおどろく。城のような建物に入ろうとしているところで、ロバートと一人娘と出会う。雨に濡れて一人で夜のニューヨークを彷徨っている女性を一人にしておけず、ロバートは家に泊めることにする。そこからロバートの日常は非現実的なジゼルの登場によりかき回されはじめる。

テーマ

 ギスギスしている世の中でも見方を変えれば温かい世界に変えることができる。いがみあっている人たちも見方や考え方を変えれば仲良くなれる。みんな温かい世界や、慈愛に満ちた世界を望んでいる。ジゼルは周りの人に温かい見方を与えて世界を変えていく。そしてみんな幸せになっていく。そんな物語です。

最後に

 随所にパンチの効いた風刺が入っている。たとえばネズミやカラス、ゴキブリが部屋を掃除するシーン。都会では忌み嫌われている動物たちが部屋に入ってきて、部屋を掃除する。弁護士も面白くない仕事として描かれている。多くの部分は実写で描かれているが、ディズニーの雰囲気にまったく合っていなくて、その違和感もおもしろい。

 ギスギスした世界に住んでいる人たちがギゼルの魔法によって笑顔になる。いろんな人が元気になっていくのをみて自分も元気になっていきます。楽しい気分になりたい人におすすめの作品です!

ミドルメン/アダルト業界でネットを変えた男たち (字幕版) (原題: MIDDLE MEN)

2010 Paramount ジョージ・ギャロ

インターネット黎明期にアダルトサイトで大成功を収めた男たちがトラブルに巻き込まれていく話。

登場人物

 ジャックは病気の友人のためにナイトクラブの経営を手伝う弁護士。ウエインはインターネットでポルノが見られないことを不思議に思う。バックは元NASAの科学者で、オンラインでクレジットカード決済を可能にするプログラムを15分で作成する。

物語の始まり

 薬物中毒のウエインとバックはポルノ映画のリールを見ながら過ごしていましたが、ウエインはインターネットでポルノを売ることを思いつき、バックはすぐにインターネットでの決済システムしポルノを閲覧できるサイトを作る。さらにポルノコンテンツが必要になった2人は、地元のストリップクラブを所有するロシアのマフィア、ニキータ・ソコロフに接触する。ソコロフは、ストリッパーを撮影・撮影する許可を与える見返りとして、事業の25%を要求し、2人はこれに同意します。その映像をインターネットに載せると、売上はまたたく間に日商100万円に達し、ラスベガスで豪遊したりする。
 しかし、ソコロフとの約束を反故にして売上の一部を収めなかったことから大ごとに発展する。そこで弁護士のジャックに頼むが彼はインターネットポルノの仲介ビジネス(ミドルメン)にビジネスを少し安全な方向に移行させていくのだが、ポルノビジネスは社会の根底を揺るがすだけでなく、時には国際政治にも関係するビジネスであるので、さまざまな問題に突き当たる。

テーマ

 人の欲求に関係するビジネスの爆発力は強い。また、動くお金が大きくなるとさまざまな問題が発生する。裏のビジネスを生業にすると人生は生きにくい。

最後に

 インターネットの決済システムをわずかな時間で構築するという天才的な一面をもつウエインやバックだが、ビジネスというのはなかなか難しいものだと感じた。けど実現して大金持ちになるアメリカンドリームはすがすがしい。

 いろいろな事件は起こるけど、中東の戦争と関わっていたというエピソードは本当なのかわからないけれども面白い。少しダークだけど、スカっとするかもしれない。裏の世界が垣間見える作品。怪しい世界を見たい人にはお勧めの作品です!

ウルフ・オブ・ウォールストリート (原題: The Wolf of Wall Street)

2013 Paramount マーティン・スコセッシ

たしかNetflixで練り物入りで紹介されていたので、見てみた。破天荒な証券マンの一代記。グレーゾーンで仕事をしていると足がつくぞ、という内容と理解。映画としての完成度は高く手に汗握る。

イフ・アイ・ステイ 愛が還る場所 (原題: If I stay)

クロエ・グレース・モレッツ, ミレイユ・イーノス 2014

 

ミア17歳、高校3年生。親友と呼び合える友達がいて、つきあい始めて1年の大好きなミュージシャンの彼氏がいる。将来の夢はチェロ奏者。今はジュリアード音楽院への入学をめざして猛練習中。
そんなミアを、ある雪の朝、突然の悲劇が襲った。一家が乗った車に対向車が突っ込み、ミアは一瞬にして家族を失ったのだ。病院のベッドの上、昏睡状態のミアの目に映ったものは、ベッドに横たわる自分の姿と幸せだったこれまでの人生、そして、彼女を死の淵から呼び戻そうとする人々の姿。生か死か、どちらを選んでも過酷な状況で彼女はいったいどちらを選ぶのか。

 

正直、はじめを少し見て、主演の二人の演技がいまいちと感じて、見るのを止めてしまったが、思い直して見てみた。子を思う親の気持ち。これはいつも感動する。クロエ・グレース・モレッツの顔が整形っぽくて気になる。親も整形外科みたいだし。しかし、彼女の弾くチェロはすごい。もちろん音は後付けだろうが、3ヶ月でこのように弾けるなんて、ほとんどありえない次元。音楽映画としても完成度が高い。

 

娘を持つ男親はがんばってみる価値ありです。

Life! (原題: The Secret Life of Walter Mitty)

Secret life of Walter Mitty

 

“To see the world, things dangerous to come to,
To see behind walls, to draw closer,
To find each other and to feel,
That is the purpose of life.”

世界を見よう、
危険に立ち向かおう、
壁の向こうにあるものを見よう
そこに向かって行こう、
互いを見つけよう、
感じるよう。
それが人生の目的だ。

 

ウォルター(ベン・スティラー)は、『LIFE』編集部のネガフィルム管理部門で真面目に働きながらも、地味で平凡な人生を送る冴えない男。ある日出社したウォルターは、突然のライフ社事業再編と、それによるLIFE誌の廃刊を知らされる。

この廃刊を知っていたLIFE誌を代表するフォト・ジャーナリストのショーン(ショーン・ペン)は、LIFE誌のための最後の撮影フィルムを届けた。しかしショーンが「自身の最高傑作ゆえに、最終号の表紙に相応しい」と記す「25番目のフィルム」は撮影フィルムから欠けていた。

25番目のフィルムのありかを聞くため、ウォルターは旅するショーンを追って旅に出る。内にこもりがちの男が自分と向き合い、新しい自分に出会う物語。

 

大自然の映像も美しく、ウォルターが過去の自分を顧みるとともに、力強く自分を再発見していく様に感動した。若い頃の私は未知なるものに出会うために旅をしていたんだった。 私も今の自分を脱して、未知に向かって行かなければ!