働かざる者たち

2017 大映テレビ 有働佳史

 「働かないおじさん」というワードをよく聞くが、Netflixでたまたまタイトルを見て、興味が湧いた。

登場人物・世界観

 橋田一(濱田岳)は毎産新聞社の社内システムエンジニア。コンピュータシステムや個人のパソコンのトラブルを解決する裏方業務でやる気がない。副業のギャグ漫画の執筆をすることで、好きでもない業務とのバランスをとっている。新田君は同期のエース記者で新聞のトップに踊るような記事を書いている。川江菜々は派遣社員でやる気なく働いている。八木は同期が出世するなか仕事に縛られず、定時で退社し年甲斐もなく合コンに参加している。

物語の始まり

 そこそこに働いている橋田一に毎日のようにちょっかいをかけてくる八木沼豊。社内で出世している人が多いことから【伝説の94年組】と言われる同期たちの中でただ一人会社に縛られずにいる八木の姿は、自由気ままに人生を謳歌しているように見える。また忙しく働いている同期の新田の姿にも憧れる。さらにヒョンなことから川江菜々にも漫画を描いていることがばれてしまう。

テーマ

 会社に所属してい働くとは何か。ということをいろんな働かない人を見ながら考えていく。働いていないように見える人も理由があったりする。仕事に情熱をそそいで来た人も少し間違うと働かなくなったりする。

 ファイアーしたけど、やっぱり働きに戻ったという話を最近みたが、社会との繋がりとして働くことは必要なのだと思う。ただあまりにも働くことに向いていない、ストレスがあるという人は別。とはいえ、アルバイトでも働くということは少なからず責任は伴うことなので、多かれ少なかれストレスはある。みんな何かしらのバランスをとって日々を過ごしているのだとは思っていたが、このドラマを見てそれをよく理解できた。

最後に

 会社勤めをしている人にとっては一癖あるようなキャラクタたちではあるが、いそうな人たちで引き込まれてしまう。何か定まらずイベントドリブンで何とか日々をこなしている主人公も魅力的である。とはいえ、池田イライザさんの演技が一番印象に残っている。美しい。。。

 働いてはいるもののどうも面白くない、働かないオジサンがいるというようなサラリーマンにはおすすめです!

アグレッシブ烈子

2018- Netflix ラレコ

アグレッシブ烈子はもともとは番組内のアニメだったようだが、Netflixでシリーズ化されている作品。日本の社会の変なところを風刺しつつ、その中を健気に戦い抜いていく烈子を動物の姿で描いている作品。

登場人物

烈子はキャラリーマン商事株式会社の経理部に勤務するOL。普段は当たり障りなく行きているが、そのうちに怒りをためており、カラオケに行きデスメタルの歌で解消している。同じ部にはその列子に思いを寄せているハイ田君がいる。しかし、奥手というか自信が決定的になく覇気もない。人はよくいろいろ助けようとしてくれる。物語のもう一人の主人公である。そのハイ田を毒舌で切ったり上から目線で烈子にアドバイスしたりするフェネ子がいる。周りを烈子の静動を監視して、暴走する烈子を止めたり動かしたりする。

物語のはじまり

 OLになって5年後から物語は始まる。会社に行きたくない。それでも気力を振り絞ってベッドから起き出し用意をして出発する。出勤にはマイマイクを持っていくことも忘れない。通勤では満員電車で気持ち悪いおじさんに囲まれて息を吹きかけられながら電車にゆられる。やっと会社にたどり着くと疲れ果てているが、自分がサンダルで来ていることに気付く。更衣室ではキャピキャピしてウザい角田やウワサ好きのカバ美さんに襲来されてさらに疲れる。自分のデスクに着くとそして真打ちが現れる。モンスター上司のトン部長。そして雑用当番を忘れていて、急いで雑用をさせられる。さらにトン部長から「茶を入れろ、女の仕事だ」と言われて茶を入れると、お湯であると言われて「できない女はムカつくが、できない女よりマシだ」とか言われて、さっそくトイレでブチ切れる。ほとぼりを冷ますために休憩室で油を売るが、帰ってくるとさっそくトン部長から理不尽な仕事をふられて残業をする。そして残業の果にカラオケで秘密の趣味をたしなむのである。。

気になった点

 基本的には女性を中心として日本の男尊女卑社会での人々の生きにくさを表現しているものと思っている。烈子はパワハラやいやなこともあるし、女性の場合には同性も的だったりもする。しかし烈子の凄さはその状況に甘んじないで常に自ら行動していくところである。そして、それは回を追うごとにエスカレートしていき、シーズン5ではとんでもないところにまで行き着くのである。

最後に

 とにかく脚本が男性とは思えない細やかな女性視点で、日本社会の歪んだ点がよく分かるし、(Netflixは全体的にそうだけど)リベララルな視点も良くて、根強いファンがいるのは納得できる。シリーズごとに新たな展開があり烈子の世界は無限に広がっていく。あれよという間に5シーズンが終わったが、新しいシーズンも待ち遠しい。日本の会社社会に生きる皆様に是非見ていただきたい作品です!

ゲキカラドウ

2021 テレビ東京

登場人物

 猿川健太は苦戦している東京支社を支援するために大阪本社から異動になる。上司の谷岡やその他クセのある面々が揃う。

物語の始まり

 大阪から異動になった猿川はさっそく小さな酒屋の営業にいく。しかし店主はとりつく島もない。歓迎会に呼ばれると韓国料理屋であった。同僚たちは真っ赤で辛いものをモリモリと食べていき、部内の人たちは全員辛いもの好きだと知り、部長の谷岡は本物の辛さを知ってこそ困難に打ち勝つ力になると説き、辛いという字に一本足せば幸せという字になる、という。その後、辛いラーメンを食べて、力を満たし、心機一転営業に励む。

テーマ

 辛い世の中も踏ん張って解決策を探していく物語。辛(ツラ)いと辛(カラ)いが掛けられている。辛い料理の数々も見どころ。

最後に

 物語を見ていると辛いものが食べたくなってしまう。実際に食べてみるとやっぱり辛くてあまり食べられなかったりもする。物語は登場人物がぶつかる問題への対処をテーマにした群像劇となっている。辛い物を食べて「仕上がった」状態になること間違いなし!

知ってるワイフ

2018 tvN イ・サンヨプ

 どんなドラマだろう?と見始めたら、面白くて止まらなくなってしまった。夫婦をテーマにしたファンタージドラマ。

登場人物

 ジュヒョクはKCU銀行の融資担当代理として勤務する。ウジンと結婚し2人の子供をもうけ家庭を築くも仕事の事で精一杯で妻のウジンから毎日罵声を浴びせられている。ウジンはエステティシャンとして働いている。結婚してからは仕事の忙しさを理由に家族と向き合ってくれないジュヒョクに嫌気が差している。

物語の始まり

 ジュヒョクは仕事はうまく行かず、子供の迎えを忘れて車を飛ばすと事故にあってしまう。家に帰ると仕事と子育てに疲れたウジンが鬼の形相で待っている。そんな折に今でも輝いている学生時代のマドンナと会い、自分のことが好きだったと知る。学生時代の可愛らしいウジンや結婚する経緯を振り返るが、いろいろなことに流されて結婚したようにも感じる。そんなある日電車に乗っていると、みすぼらしいなりのおじさんが時空のゆがみから過去に戻れると言うのを聞く。

テーマ

 「違う人生だったら」「あそこで自分が違う行動をしたら人生は違う方向に進んだかもしれない」と誰もが思うことがある。ジュヒョクはそう思い別の人生を生きようとする。けれど、どうだろう。今の人生がよりベターな選択だったり、たとえ一つの行動が異なっていても近しい人生を生きるかもしれない。そうすると人生の幸福を決めているのは「選択」ではないのかもしれない。

最後に

 はじめの方のジュヒョクは駄目な旦那の典型である。妻の大変さを顧みないでゲームをやろうとしたりする。ウジンはそういう旦那に歯に衣着せぬ言葉を浴びせかける。韓国ドラマだからできるのか、そういうところも痛快だ。また妻を顧みない人は駄目だと思うし、自分は「仕事ができる人は家事も育児もできる」と言い聞かせて日々ほぼフルコミットまではいかなくても7割コミットくらいはしている。
 とにかくドラマは肩の力を抜いて見られるコメディファンタジーでおすすめです!ちょっと違う人生に飛び込んでみようではありませんか。

クイーンズ・ギャンビット

2020 Netflix スコット・フランク

 売り出していたし、アニャ・テイラー=ジョイの独特の雰囲気に惹かれて見た。チェスは正直良く分からないが、分からなくても楽しめた。

登場人物

 数学者の母親を持つベスは自閉症の症状があるが、9歳で交通事故で母親を亡くす。養護施設の用務員ウィリアム・シャイベルは経験豊富なチェスプレイヤーだが、ベスのチェスの才能を見い出す。

物語の始まり

 母親を失ったベスは養護施設に入れられる。そこでは薬物を子どもたちに投与しており、ベスは依存症になっていく。ある日ベスはひとり地下室で用務員のシャイベルが打つチェスに特別に興味をそそられ、彼からチェスの手ほどきを受けのめり込んでいく。

テーマ

 チェスの才能と道徳性の欠如を併せ持った女性が世の中の脚光を浴びて、チェスという男性社会に乗り込んでいく様が気持ちいい。依存症を持つ様子もベスの便りなさを表しているようで、むしろ許容してしまう。どの世界でもちょっとズレているような女性でないと男性社会では戦えないのかしらとも思う。

最後に

 撮影効果も凄いと思ったが、アニャ・テイラー=ジョイの雰囲気も大きいように感じた。女性の活躍やチェスという独特の世界を垣間見たい人にはおすすめです!

椿の花咲く頃

2019 韓国KBS チャ・ヨンフン

 たまたま見た作品だが、素晴らしい作品。大ファンです。

登場人物

 ドンベクはシングルマザーで幼い息子を育てている。田舎町オンサンに越してきて、「カメリア」というスナックをくる。ヨンシクは学生時代から腕っぷしの強い熱血正義感で、自分でいろいろな事件を解決してしまう。それが功を奏して警察官に就任して、ソウルに赴任する。

物語の始まり

 ドンベクが開店した「カメリア」はその魅力に惹かれて男性客で繁盛する。奥さんたちが切り盛りするケジャン屋の夫たちは身内の店では気軽に話をできずに、カメリアにたむろするようになる。ケジャン横丁の奥さんたちはそれを嫌い、未婚の母であるドンベクに偏見をもっていじめるようになる。
 それから6年後、ソウルで働いていた熱血正義漢の警察官ヨンシクが、半ば左遷される形で故郷に赴任する。意中の女性が見つからなかったヨンシクだが、偶然見かけたドンベクに一目惚れする。
 その頃、世間では6年前にオンサンで起こった未解決の連続殺人事件が、再び関心を集めていた。

テーマ

 ドンベクはカメリアで絡んでくる男性客に確固たる態度で対応する。それがヨンシクがドンベクに真に心を奪われた瞬間である。長いものに巻かれない。シングルマザーや片親がいない人はマイナーな存在であっても胸を張っていきる。ヨンシクも正義感で弱いものに味方して長いものには決して巻かれない。そしてアンチミソジニーであり、女性を軽視する男性と、弱者を軽視するものと戦う。

最後に

 マイナーなものを軽視する文化はどこの国でもあると思うが、それに立ち向かう人々の姿は清々しい。日本や韓国のような男性優位の国では女性蔑視も重要な問題で、それにあがらう姿も美しい。男性である私はヨンシクのようでありたい。男性にも見てほしいけど、女性が見る作品なのかなぁ。そういえば、コン・ヒョジンが整形感がなくて好感が持てる。整形というのもメジャー主義だし、女性蔑視の要素があると思う。

 少子化の原因は、経済問題もあるけど、女性蔑視を重要視している女性と、それを軽視する男性のアンマッチもあると思っている。男性もぜひぜひ見て、ヨンシクのような漢になってほしい!

愛しのホロ

2020 Netflix イ・サンヨプ

登場人物

ソヨンはメガネ屋に勤める女性で代理である。人の顔が見えにくくなる失顔症を抱えている。ユジンはホログラム人工知能を開発した会社の社長。ホロは新開発のメガネの中に現れる人工知能アバター。周囲の電子機器を乗っ取ることもできる。

物語の始まり

ユジンは投資家向けに新製品であるホログラム人工知能を発表した。それはVR眼鏡をかけると人工知能のアバターが見えるようなメガネであった。発表を終えたユジンは家路に着くが、開発した技術つが革新的すぎたため、技術を奪おうとする組織に狙われる。自らも眼鏡をかけ人工知能にアドバイスをもらいながら逃げようとするが、逃げきれなくなり通りかかったソヨンのカバンに新開発の眼鏡を忍ばせ、その場を去る。
 メガネに気づいたソヨンはかけてみると、ホロが見えることに気づく。そしてホロの人工知能には大きな力があることがわかってくる。職場では人の顔を見分ける必要がある仕事をまかされるが、ホロの力を借りて切り抜ける。その後もホロに人を見分けてもらって、人へ積極的に関わることができてくる。気になっている先輩にも近づこうとするが、、、

テーマ

 年頃の女性の悩みや孤独。人工知能という存在。ちょっと重めなテーマを絶妙な口当たりの良いコメディで包んでいるところがさすが韓国映画というところ。

最後に

 開発者のナンドが出てきてドタバタ劇っぽくなってくるのが面白い。テクノロジーが前に出てきているようだけれども、結局は人々の物語。ソヨンと同じような年の女性にはいいのかもしれないです。男性が見て紳士なホロをまねても良いのかもしれない。

ノット・オーケー (原題: I Am Not Okay with This)

2020 Netflix Jonathan Entwistle

 主人公役のソフィア・リリーが美しすぎる。動画を見たのはそのため。けど、内容も半端なく良い。青すぎる青春ストーリー。

登場人物

 シドニー17歳、平凡でイケてない部類にはいる女子高生。ペンシルバニアに引越して高校に転入する。ディナはイケてる学生だが、日の当たらないシドニーと仲良くしてくれる。ルイスは鼻持ちならないイケメン学生。スタンリーは変人のご近所さん。シドニーに興味があるよう。

物語の始まり

 シドニーは父親が亡くなって日常のイライラが積もっている。学校のカウンセラーには日記をつけて精神を安定させるように言われる。同じ時期に転入してきたディナと仲良くなり、孤独の日々から脱して楽しい日々を過ごしている。ところがディナは大嫌いなルイスと付き合うことになって、親友を取られたシドニーは心中穏やかでない。そのときにシドニーは自分の中のイライラと周りの異変に気づく。スタンはシドニーに近づくにしたがって彼女の秘密に気づいていく。

テーマ

 シドニーは親ガチャの不条理を感じる。自分がメジャーでないことの諦めや悔しさとイライラ。

最後に

 まずは主人公クラスの人たちの良さ。シドニーもスタンも美しいし演技も素晴らしい。シドニーの能力の演出も良いし、脚本の設定も素晴らし。田舎町のもどかしさが画面から滲み出ている色合いも素晴らしい。
 悶々とした日々を描いた作品は大好き。大好物。たまらないです。何かうまく行かないことがある人は見たほうがいいのか。全体の完成度がたまらなく高いので、そういうところを見る人にもおすすめです!

さぼリーマン甘太朗

2017 テレビ東京 Netflix 守屋健太郎/石田雄介/髙島夏来

ネトフリで激推されていたので、みた。

登場人物

飴谷甘太朗は出版会社のシステムエンジニアから営業部に転じた。甘味が好きで平日も食べるためである。三宅は部長で熱血上司である。

物語の始まり

甘太郎はあんみつを食べたくなる。部長から一緒に書店周りを持ちかけられるが、あんみつを食べるために一人で行くこと希望する。人形町の7件の書店を2時間で回ることを命じされる。なんとか7軒を手早く回った甘太郎は甘味処に入店し、あんみつを注文し、舌鼓を打つ。

テーマ

孤独のグルメの甘味版。甘太郎が甘味処を回る。他の社員との絡みもあり、孤独のグルメよりもいろいろある。あと結構、甘味フリークな貫太郎が変態的に描かれているところも見どころなのかも。

最後に

普段はあまり「あんみつを食べに行こう!」とか「ケーキを食べに行こう!」とならない。甘太郎を見ていると食べたくなってくる。甘党でない人にもおすすめかも!

恋するアプリ Love Alarm

2019 スタジオドラゴン

登場人物

キム・ジョジョは幼いころに両親をなくしている高校生。学校では修学旅行に参加しなかったり、給食を食べなかったりと、バイトをしながら貧しく暮らしている。ファン・ソノはイケメンモデルで政治家の息子。お金持ちだが満たされない。イ・ヘヨンはキム・ジョジョを好きで一緒の場所でバイトをしたりしている。ヘヨンの母ファンの家に住み込みで働いていて、ヘヨンはソノと同じ家に住んでいる。

物語の始まり

へラブアラームという自分を好きな人が10mいないに来たら分かるシステムが開発された未来。ジョジョは友達には塾に行くと行って分かれるがバイトに行く。ジョジョとヘヨンは同じ焼肉屋でバイトしているが、その帰りにヘヨンはジョジョをこっそりと尾行して盗み見てから返ってくる。たまたまそのときに久しぶりに韓国に帰国して居合わせたソノはヘヨンとジョジョを目撃する。ヘヨンとソノは一緒に寝るが身分が違う。翌日にソノが登校すると女性の目を集める。ソノはジョジョを見かけ、ヘヨンが好きなジョジョをソノは気になりだす。

テーマ

貧富の差が色濃く描かれている作品。貧しさ。片思い。心理とアプリがつながっていてくるのが見せてくる。ジョジョの過去の謎。ラブアラームの謎。謎が展開を引っ張る物語。

最後に

ジョジョ役のキム・ソヒョンが可愛いが、ソノもかっこよく印象的な顔立ちだ。そんな二人のやり取りや片思いのヘヨンと、ラブアラームの関係はぐっと引き込まれる。貧富の差の描写も生々しく物語の縁に陰影をつけ、ラブストーリながら甘くない味付けにしている。とはいえ学園モノのラブストーリーがベースにあるので、きゅんきゅんも楽しみたい人にもオススです!