君の膵臓をたべたい

2017 東宝 月川翔

 なんとなく見たが切ない物語が良かった。浜辺美波さんがキレイだった。

登場人物

 主人公の「僕」は友人や恋人などの関わり合いを必要とせず、人間関係を自己完結する。さくらは天真爛漫で積極的であるが、不治の病にかかって余命が幾ばくもない。

物語の始まり

 母校で国語教師になった「僕」(小栗旬)は、老朽化により閉鎖が決まった図書館の蔵書整理を任され、図書委員と一緒に作業をしていました。教え子と話す中で、かつて1人の少女・桜良(浜辺美波)と過ごした日々を回想する。
 学生時代に主人公である「」(北村匠海)は病院で偶然「共病文庫」というタイトルの本を拾う。その本はクラスメイトである桜良がつづっていた秘密の日記帳で、彼女は膵臓の病気により長く生きられないことが書かれていた。秘密を知った「僕」は桜良に死ぬまでにやりたいことを一つづつやっていくことに付き合うことになる。

テーマ

 人に想いを伝えるなら早いほうがいい。一方で時空を超えて届く想いもある。生きるということは人との関わりの輝きと煩わしさに交わって生きるということなのかもしれない。

最後に

 匠海さんはカッコいいし、美波さんもキレイ。とりあえずこの二人を見ているだけどもハッピーになるが、切ない物語の最後の余韻もたまらない。切ない青春映画が好きな人にはおすすめです!

マンガでわかるこんなに危ない!?日本経済 アフターコロナの経済学

2020 ビジネス社 消費増税反対botちゃん(著), 藤井聡(監修)

「こんなに危ない!?消費増税」も買ったが、今回も藤井先生が監修された漫画ということと消費税反対bot1ちゃん氏を応援したいということで購入した。

本の構成

 第1話から第5話まではミクロ経済編だが、消費増税を止められなかった高橋あさみちゃんが国会議事堂に招かれて新人議員に経済をレクチャーしてほしいというオファーを受けるところから始まる。あさみちゃんはまずは各業界の市場の話から入り弾力性、需要と供給に続き、市場の失敗や逆選択など周辺の知識を語る。藤井聡先生の自由競争だけじゃないという解説が入る。
 第6話から第8話まではマクロ経済編だが、GDPや三面等価の法則に続いて日本のGDPの成長率、次にインフレとデフレ、政府の役割と続く。与党がアベノミクスの成果を歌い上げるがあさみちゃんが反証していく。藤井先生のGDPを理解しようという解説がはいる。第9話から第10話までは政府がやれることを挙げていく、また公共事業と減税について過去の事実などをさらっていく。

気になったポイント

 なにしろ漫画という絵と文章が合わさった説明は非常にわかりやすい。ここまでわかりやすく経済について語っている本はないと思うし、現代の日本の問題にフォーカスして、それと絡めて説明している書籍も少ないと思う。キャラクターも愛らしいし、ときどき入るギャグで力を抜くことができること。

最後に

 いろいろな方が様々に消費税廃止に向けて活動しているが未だになくならないのが悔しい。財政出動は良いのかもしれないが、個人的にはやはり減税推しである。貨幣の量が増えるとその価値が減るから、結局人々が潤うのは価値が減っていない状態で貨幣を多く手にすることである。それは人々への減税しかない。そして富裕層への増税。
 とにかくみんながお金のことを心配しなくて良い世界が来てほしい!そして、そう願い多くの人に読んでほしい本です!

椿の花咲く頃

2019 韓国KBS チャ・ヨンフン

 たまたま見た作品だが、素晴らしい作品。大ファンです。

登場人物

 ドンベクはシングルマザーで幼い息子を育てている。田舎町オンサンに越してきて、「カメリア」というスナックをくる。ヨンシクは学生時代から腕っぷしの強い熱血正義感で、自分でいろいろな事件を解決してしまう。それが功を奏して警察官に就任して、ソウルに赴任する。

物語の始まり

 ドンベクが開店した「カメリア」はその魅力に惹かれて男性客で繁盛する。奥さんたちが切り盛りするケジャン屋の夫たちは身内の店では気軽に話をできずに、カメリアにたむろするようになる。ケジャン横丁の奥さんたちはそれを嫌い、未婚の母であるドンベクに偏見をもっていじめるようになる。
 それから6年後、ソウルで働いていた熱血正義漢の警察官ヨンシクが、半ば左遷される形で故郷に赴任する。意中の女性が見つからなかったヨンシクだが、偶然見かけたドンベクに一目惚れする。
 その頃、世間では6年前にオンサンで起こった未解決の連続殺人事件が、再び関心を集めていた。

テーマ

 ドンベクはカメリアで絡んでくる男性客に確固たる態度で対応する。それがヨンシクがドンベクに真に心を奪われた瞬間である。長いものに巻かれない。シングルマザーや片親がいない人はマイナーな存在であっても胸を張っていきる。ヨンシクも正義感で弱いものに味方して長いものには決して巻かれない。そしてアンチミソジニーであり、女性を軽視する男性と、弱者を軽視するものと戦う。

最後に

 マイナーなものを軽視する文化はどこの国でもあると思うが、それに立ち向かう人々の姿は清々しい。日本や韓国のような男性優位の国では女性蔑視も重要な問題で、それにあがらう姿も美しい。男性である私はヨンシクのようでありたい。男性にも見てほしいけど、女性が見る作品なのかなぁ。そういえば、コン・ヒョジンが整形感がなくて好感が持てる。整形というのもメジャー主義だし、女性蔑視の要素があると思う。

 少子化の原因は、経済問題もあるけど、女性蔑視を重要視している女性と、それを軽視する男性のアンマッチもあると思っている。男性もぜひぜひ見て、ヨンシクのような漢になってほしい!

志乃ちゃんは自分の名前が言えない

2018 ビターズ・エンド 湯浅弘章

印象的なタイトルで娘と見た。

登場人物

大島志乃は高校1年生の女子。人前で母音で始まる言葉を発しにくくなる症状を抱えている。加代は名前が言えない志乃を笑わずに接してくれたクラスメイト。音楽好き。

物語の始まり

初めて高校に登校する。生徒がひとりずつ自己紹介をしていく。苦手な自己紹介。自分の番が迫ってくる。自分の番になって必死になって何とか立ち上がる。話そうとしてもどうしてもうまくいかない。自分の名前が言えない。。。

テーマ

自分の弱点やコンプレックスと向き合っていく。弱点を馬鹿にしない友達。なんだろう、勇気の話だと思う。

最後に

自分も弱点を抱えて生きている気がする。誰しも多かれ少なかれあるかもしれない。人を受けれるのと同じくらい自分を受け入れるのは難しい。必要なのは勇気なのかもしれない。そんな勇気づけられた映画だった。受け入れる勇気、大きな勇気。そんな勇気が欲しい人にはおすすめの映画です!

愛しのホロ

2020 Netflix イ・サンヨプ

登場人物

ソヨンはメガネ屋に勤める女性で代理である。人の顔が見えにくくなる失顔症を抱えている。ユジンはホログラム人工知能を開発した会社の社長。ホロは新開発のメガネの中に現れる人工知能アバター。周囲の電子機器を乗っ取ることもできる。

物語の始まり

ユジンは投資家向けに新製品であるホログラム人工知能を発表した。それはVR眼鏡をかけると人工知能のアバターが見えるようなメガネであった。発表を終えたユジンは家路に着くが、開発した技術つが革新的すぎたため、技術を奪おうとする組織に狙われる。自らも眼鏡をかけ人工知能にアドバイスをもらいながら逃げようとするが、逃げきれなくなり通りかかったソヨンのカバンに新開発の眼鏡を忍ばせ、その場を去る。
 メガネに気づいたソヨンはかけてみると、ホロが見えることに気づく。そしてホロの人工知能には大きな力があることがわかってくる。職場では人の顔を見分ける必要がある仕事をまかされるが、ホロの力を借りて切り抜ける。その後もホロに人を見分けてもらって、人へ積極的に関わることができてくる。気になっている先輩にも近づこうとするが、、、

テーマ

 年頃の女性の悩みや孤独。人工知能という存在。ちょっと重めなテーマを絶妙な口当たりの良いコメディで包んでいるところがさすが韓国映画というところ。

最後に

 開発者のナンドが出てきてドタバタ劇っぽくなってくるのが面白い。テクノロジーが前に出てきているようだけれども、結局は人々の物語。ソヨンと同じような年の女性にはいいのかもしれないです。男性が見て紳士なホロをまねても良いのかもしれない。

ノット・オーケー (原題: I Am Not Okay with This)

2020 Netflix Jonathan Entwistle

 主人公役のソフィア・リリーが美しすぎる。動画を見たのはそのため。けど、内容も半端なく良い。青すぎる青春ストーリー。

登場人物

 シドニー17歳、平凡でイケてない部類にはいる女子高生。ペンシルバニアに引越して高校に転入する。ディナはイケてる学生だが、日の当たらないシドニーと仲良くしてくれる。ルイスは鼻持ちならないイケメン学生。スタンリーは変人のご近所さん。シドニーに興味があるよう。

物語の始まり

 シドニーは父親が亡くなって日常のイライラが積もっている。学校のカウンセラーには日記をつけて精神を安定させるように言われる。同じ時期に転入してきたディナと仲良くなり、孤独の日々から脱して楽しい日々を過ごしている。ところがディナは大嫌いなルイスと付き合うことになって、親友を取られたシドニーは心中穏やかでない。そのときにシドニーは自分の中のイライラと周りの異変に気づく。スタンはシドニーに近づくにしたがって彼女の秘密に気づいていく。

テーマ

 シドニーは親ガチャの不条理を感じる。自分がメジャーでないことの諦めや悔しさとイライラ。

最後に

 まずは主人公クラスの人たちの良さ。シドニーもスタンも美しいし演技も素晴らしい。シドニーの能力の演出も良いし、脚本の設定も素晴らし。田舎町のもどかしさが画面から滲み出ている色合いも素晴らしい。
 悶々とした日々を描いた作品は大好き。大好物。たまらないです。何かうまく行かないことがある人は見たほうがいいのか。全体の完成度がたまらなく高いので、そういうところを見る人にもおすすめです!

響 -HIBIKI-

2018 東宝 月川翔

何気なく見た。

登場人物

鮎喰響は本好きの人を寄せ付けないような少女。高校に進学するが、冬休みの時間をかけて小説を書き新人賞に応募する。花井ふみは文芸誌編集者で響の小説原稿を受け取る。祖父江凛夏は文芸部の先輩。

物語の始まり

花井ふみは新人賞の担当だが、送られてきた「お伽の庭」の原稿を読み感動する。しかし宛名も住所もなかったが、応募要項に沿わすために急ぎ自分たちで電子化する。響は高校に進学するが部活に所属する必要があり、文芸部に入ろうとする。部室に行くと、不良たちがたむろしている。響きは構わず入りたい旨を伝えるが、不良と衝突し、指を折る。また文芸部先輩の凛夏とも衝突するが、依頼した響の短編を読んでその才能に気付く。

テーマ

文芸という世界。夢に向かって努力する人たち。響の文芸に対する天性の才能と、血の滲むような努力をする人たちの対比。

最後に

平手さんの雰囲気が良いのかなんとも好きになった。文芸の熾烈な戦いも伝わってきた。やっぱり夢に向かって地を這うような努力をしている人たちが良いのか。小説自体は出てきていないのに深い深い小説なんだというのが伝わってきたのが不思議な体験だった。これは演出が素晴らしいのか。後から気付いたけど、映画と漫画は違うようだったので、ぜひ漫画を読みたい!文芸の世界を垣間見たい人はぜひ見てみてください。

マネー・ショート 華麗なる大逆転 (原題: The Big Short)

2015 パラマウント映画 アダム・マッケイ

登場人物

マイケル・バーリは元医者でファンドマネージャー。かなり変わり者である。マーク・バウムは世の中の矛盾や不正を暴くのが好き。ジャレド・ベネットはドイツ銀行の社員。住宅市場には懐疑的。

物語の始まり

マイケルは住宅ローンをまとめた債権に問題があることを見抜く。空売りをしようとするが相手を探すなかでゴールドマンサックスやドイツ銀行などが受けいれてくれる。売った方は笑いが止まらない。総額13億ドル。マークは間違い電話からマイケルの動きを感知する。ドイツ銀行のジャレドを尋ねて、住宅ローンは破綻寸前という分析を披露され債権の空売りの売り込みを受ける。マークは大急いで住宅市場を調べ始める。実際に貸し手と借り手に話を聞いてバブルだと確信する。また独自にこの市場に辿り着いた若手個人投資家もつらなる。しかし、誰もいつ住宅市場が破綻するかは分からない。。。

テーマ

嘘だらけの金融市場。市場は真実に収束する。曇りなき眼で真実を見通す力がいる。また耐える力。

最後に

住宅市場の結末を知っている私たちでも手に汗握る。当事者はどんな感じだったのだろう。資料から真実に辿り着く人や、現場から真実に辿り着く人など、様々。とにかく事実がベースとなっているのでおもしろい。投資をしている人はぜひ見て欲しいかも。

クレイマー、クレイマー (原題: Kramer vs. Kramer)

1979 コロンビア ピクチャーズ ロバート・ベントン

名作なのでみた。さすが名作。父子家庭をテーマにした物語。

登場人物

テッドはニューヨークで働くサラリーマン。仕事一筋で生きてきた。妻のジョアンナは家事と子育てを一手に引き受けている。

物語の始まり

ジョアンナは何か自分が打ち込める仕事をしたいと夫テッドに相談を持ちかけるが、向かい合わない。ジョアンナはテッドに別れを告げてきた。テッドは冗談だと思っていた。翌日会社から自宅に電話をかけても誰も出ない。その日からテッドの生活は一変し、5歳の息子ビリーと父子二人きりの生活を始めるが、テッドは以前と同じようにはとても働けないことに気づいていく…。

テーマ

結婚がテーマの気もするが、結婚生活はほとんど出てこない。むしろ、テッドと息子との一変した父子家庭の生活がテーマ。父子生活の大変さもテーマだが、子供と向き合うことの楽しさにもフォーカスしている。

最後に

子育てをすると、子供というのはもちろん大変さもあるけど、楽しい。新しく成長していく人間と接するのは幸福なことだとも思う。仕事に打ち込みすぎなお父さんにはぜひ見てほしい!Happy wife, Happy life.という言葉あるが、子供も入れて、Happy family, Happy life.だと思う。

ソルト (原題:Salt)

2010 コロンビア ピクチャーズ フィリップ・ノイス

アンジェリーナジョリーに惹かれてみた。

登場人物

ソルトはCIAに所属する女性諜報員であり北朝鮮に拘束される。夫のマイクの熱心な保釈に向けた活動により、捕虜交換という形で釈放される。テッドはソルトのCIAの上司。

物語の始まり

ソルトの夫であるマイクの誕生日に突然、ロシアからの亡命者オルロフがCIAに出頭する。ソルトが尋問するとオルロフは、幼少期から特殊な訓練を受けたロシアのスパイがアメリカに潜入していることを話し始める。そのスパイの一人がアメリカ副大統領の葬儀でそこに出席するロシア大統領を暗殺すると話し、そのスパイの名は「イヴリン・ソルト」であると告げる。
 尋問を聞いていたCIA防諜部の人はソルトが二重スパイではないかと疑うが、ソルトや上司のテッドは否定する。家にいるはずの夫マイクと連絡がつかないことが分かった彼女は、マイクの安否を確認するために自らもCIAから逃走を始める。

テーマ

愛と復讐ではないだろうか。夫マイクへの愛がソルトに新しい生きる意味を与えた。

最後に

残忍さも少しあるスパイ映画だが、逃走劇は手に汗握る。ソルト役のアンジェリーナ・ジョリーのアクションも見どころ。現実から逃避したくて、熱くて息つく暇もないアクションを見たい人にはおすすめです!