シネマ de 昭和 女の一生

2006 岩下志麻, 栗塚旭, 山田洋次, 小川真由美, 竹脇無我, 田村正和, 林光, 左幸子, 宇野重吉, 野村芳太郎

 

モーパッサン原作の女の一生を舞台を日本に移して再現。お嬢様育ちの主人公といっしょに育てられた女中を対比させる。不幸を重ねていく自立していない女性の一生を描く。

全体的にはかなりの完成度なのではないだろうか。しかし、私は何でこれを見ようと思ったのだろうか…。原作も読んだことがあってドンヨリしたのだが、また同じ気持ちを味わうことになった。

原作中の教会が絡んでいた部分がなかった。その教会とのからみで原作の父親が神について自分の意見を述べているところにいたく感動したが当然その部分はなかった。また主人公の妊娠はたしか「自分は妊娠している」と言って、夫に避妊をさせないことによって妊娠するという画期的な方法だったように記憶しているがそれがなかった。それは入れてほしかったなぁ。あと侮辱された父親が憤慨して刀を持ち出すところが日本的で良かった。

後は、、、劇中の若い青年が田村正和だと後で知ってビックリ。

CURE キュア

2001 黒沢清 役所広司

 

まったく関係ない人が頚部をX印に切り裂かれる連続殺人事件。殺人者はなぜそれを行ったかまったくわからない。刑事である高部は事件を追い始めるが捜査線上に人の心を操る一人の男が浮かんでくる。

怖い。ちょっと途中、見れなかった(笑)カットとか音とかが怖い。けど、なんだろうな。怖いだけっていうか、解決を見ないというか、納得できない。もっとCUREというテーマに肉薄してほしかった。

下弦の月 ~ラスト・クォーター

2005 緒形拳, 栗山千明, 陣内孝則, 蓜島邦明, 成宮寛貴, 二階健, HYDE, 落合扶樹, 黒川智花, 矢沢あい

 

家庭に居場所がないミヅキは仲間と戯れるのがスキだけど、彼氏に裏切られてしまう。町を彷徨ううちに不思議な洋館にたどり着く。洋館からは昔から知っている懐かしい曲が流れている。洋館でアダムという青年と出会う。19年に一度の下弦の月。矢沢愛原作のストーリー。

家庭問題が絡んでいるのは矢沢愛っぽいがミステリーチックなストーリー。原作は読んだが忘れてしまっていたが、複雑なストーリーにもかかわらず、意味がわからないところなどはなかった。随所に使われているCGもよかった。お金がかかってそう。ただ、全体としてはパッとしない。個人的には栗山さんの骨っぽい顔が苦手…汗。HYDEは美形というか何かかもし出していてよかった。

菊と刀―定訳

1967 社会思想社 ルース・ベネディクト, 長谷川 松治

 

西洋人には奇妙に見える日本人の行動基準を人類学者ルース・ベネディクト女史が説明する。訳者のあとがきが昭和23年になっている。

日本も40年もたてば行動基準は変わるとは思うが、はっとさせられることが多く、基本的なところは変わっていないと思った。それにしても彼女のニュートラルなものの見方ができる才能が、ここまでバランスのとれた分析を可能にしたのかもしれないと驚いた。中国やアジアの文化にも精通している彼女が初めに言っていることもおもしろい。『徳と不徳は西洋人が考えているものとはまるで違ったものであった。その体系は全く独自のものであった。それは仏教的ではなく、また儒教的でもなかった。それは日本的であった』

義理や恩の概念なども客観的に分析されていて、今まで省みることがなかった概念を、なるほど、と思ってしまった。

サタデー・ナイト・フィーバー スペシャル・コレクターズ・エディション

2003 ジョン・バンダム ジョン・トラボルタ

 

ニューヨークの下町。将来には期待をもてないゴロツキ仲間がいる。その中の一人であるトニーはダンスの才能があり、週末のディスコがみなに賞賛される場である。トニーはディスコであったダンスのうまいステファニーにほれ込み二人でコンテストを目指す。

ダンス以外はストリーは実は暗い。みんな問題を抱えている。けど、そういう印象が薄くなるほどダンスとバックの音楽がエネルギッシュだ。最後は爽やかに終わる。残念ながら日本でも普遍的なテーマになりつつあるんじゃないかな。

ハチミツとクローバー

年度: 2006 国: アメリカ 公開日: 2006年7月22日 大人気少女コミックがついに実写映画化。甘酸っぱい青春の時が、美しい映像になって新しいハチクロ世界を構築

 

美大を舞台にした恋愛+青春。それぞれが片思いをかかえている。

原作を知らずに見に行ったが、うーん。俳優とか演技とか舞台とかよかったが、やっぱり入りきらなかったのかな。ちょっと因果関係がわかりにくかったところもあった。蒼井さんはちょっと合なかったんじゃないかな。蒼井さんに脚本を合わせた方がいいんじゃないのかな、とか言ってみる。商業的には成功して欲しいので星を増やす、汗。次の映画化はのだめかな?

東京物語

2005

 

年老いた両親が子供を訪ねて広島から遥々東京に出てくる。子供たちは忙しく、あまり両親の相手を出来ない。唯一、戦死した息子の奥さんが血がつながっているわけではないのに大切に扱ってくれる。

丁寧な言葉遣いなどが新鮮。両親に挨拶する様など、儒教の影響が今よりも濃いような気がした。けど、外見的な様式の違いはあれ、現代と心情などは変わっていないのかなぁと思った。たぶん40代くらいの人は是非見た方がよいと思う。とりあえず、手紙をもらって返事を書いていない、ばーちゃんに手紙を書こうと思いました。

紀雄の部屋

2004

 

薬学部でプロレスオタクの紀雄。紀雄はプロレスを見に行ってバトンガール?をしている綾子に一目ぼれする。その綾子にキャンパス内でたまたま出会い付き合うことになる。

映像はアングルとかは微妙。だけど、独特のテンポとかキャラとか愛嬌のある音楽とか、全体的に好印象。つぐみさんはGJ。他の出演者のキャラはいいけど、彼女の演技がなかったら、この映画は成立していないんじゃないかな、といったところ。

ハッシュ!

2004

 

二人のゲイのカップルと一人の女性。居場所のない女性が家族というものを得ようとする。

ひっさしぶりに良かった。家族をテーマにしたストーリーは好きだけど、暖かくて率直なゲイのカップルがよかった。つぐみさんの映画を探してみたけど、彼女の役どころもGJ。