デイヴィッド・コパフィールド

1989 新潮社 C. ディケンズ, 中野 好夫

 

「いったいアグニスという女は、静かで、物音こそ立てないが、たとえどこにいようと、その証跡は、何かと快い形で、必ず現れるのだった。たとえば、帰ってきてみると、いつもあの伯母の家の客間の窓にぶら下がっていた鳥籠が、ちゃんとまたかかっているのである。また私の安楽椅子が、これも私のよりはずっと楽な伯母のそれをそのままに、きちんと開いたまどのそばに据えてある。」

デイヴィッドの半生を描いたディケンズの代表的な作品。

モーム十選の中に入っていたが、一刊目のあとがきで、「モームが主人公デイヴィッドの性格雑煮ついて、いろいろ具体的に不満な点をあげ、一貫したイメージとしての弱さを指摘していた」ようなことが書かれていて、おいおいモーム…。って思った。ストーリーも都合が良すぎる点が多々あるけど、特徴的な登場人物は面白く、4巻目の中盤で面白くなってきた。アグニスは俺の嫁。

アタシは生きる!! AV女優22人の人生

2004 宝島社 中村 淳彦

 

「ホントあり得ないくらい貧乏だった。給食費とかまったく払えないくらいで、ガスとか電気はいつも止められてたよ。冬とかマイナス十何度にもなるから、寒くて凍えそうで毎日死ぬんじゃないかと思ってたほど。食べる物が全然ないときもあったくらだから。」
「私を刺したのは母親にとって、自殺みたいなものだったのかもしれない。私と母親はすごい似ているんです。だから私と全然違う、全然似ていない妹は可愛がられて、私に厳しくあたったんだと思う。」
「そうそう、そのときはいつも以上にメチャクチャしてて、一人は片足を車で轢いて潰してたんです」
「テレクラは山に捨てられたのを最後にやめたから、今度はヘルスに勤めたの」
「でも、どうしてもママに自分を認めてもらいたかった。だから勉強は一生懸命したよ。褒めてもらえるものはそれしかなかったから」
「アニメやゲームはなんでも知ってなければならないんで、撮影の一週間前から猛烈にキャラの勉強しなきゃいけないんです。撮影前にアニメの一話から最終話までビデオ借りてきて、コミックも全部読んだり、とにかく時間がかかるんですよ。で、使えそうな言葉に便箋をつけて暗記するんです。」

22人のAV女優へのインタビュー。彼女たちは激動の半生を赤裸々に語る。

面白いブログを探していたころ、AV女優のブログにたどり着いた。その有名女優は普通の感覚を持っていたように思えた。この人がなぜAV女優という職業を選ぶにいたったかが非常に疑問に思って買った書籍だ。

彼女らの半生も業界について、差し挟まれる筆者の考えなども非常におもしろかった。創作でないかとも思うような激しい虐待については、ここまで詳しく書いてある本を読んだことがなかったので、すごい参考(←なんの?)になった。早く逮捕してくれ!っていう人や、親などもちらほらいる。悲惨な環境も多いが同じ環境があったとしても違う人生を歩んでいる人は多数いるだろう。そう考えるとAV女優という特異な職業につく人はやっぱり特異、心的な疾患を持っていると思う。

AV女優については、たとえ売れてお金が稼げたとしても自分の中で職業を肯定するのは非常に難しい。心身ともにあまりにもリスキーな選択なので、どんなにAV女優という職業に対して肯定的に書かれている書物があったとしても、それを信じてはいけない。アイドルだって体を売っているというのだから同様である。それにしても濃いい一点の無駄のないフラットなインタビューは素晴らしかった。この人のインタビューは一通り読んでみたいな。AV女優の書籍も行ってみるかな…。

ヒンドゥー教―インドの聖と俗

2003 中央公論新社 森本 達雄

 

ヒンドゥー教と日本人、習慣、考え方、歴史、カースト、女性、、、と多岐にわたって書かれた書籍。分量は多いが、現地で見聞きした情報を元に書かれている。

膨大すぎて最後は流し読み。文化は大切だけど、先立たれた妻はいっしょに火葬されなくてはいけないなどは、ちょっと拒否反応が。やっぱり自然宗教的なものなんだなぁー。前にダルマとか神についてとかの本は読んだけど、そういうのに比べれば理論的な本ではなくて文化的な側面にフォーカスした本かもしれない。

日本人はなぜ無宗教なのか

1996 筑摩書房 阿満 利麿

 

日本人は神を信じているのになぜ無宗教と自身をいうのか?無宗教の実態、歴史などから、日本人の根本にある自然宗教を考察する。柳田国男のフィールドワークが何度も引用され、重視されている。日本人の自然宗教に気付かされる一冊。

重右衛門の最後は読んでみたい。柳田国男はまだ読んだことない。

イニシエーション・ラブ

2007 文藝春秋 乾 くるみ

 

僕がマユに出会ったのは、代打で呼ばれた合コンの席。やがて僕らは恋に落ちて…。甘美で、ときにほろ苦い青春のひとときを瑞々しい筆致で描いた青春小説― と思いきや、最後から二行目(絶対に先に読まないで!)で、本書は全く違った物語に変貌する。「必ず二回読みたくなる」と絶賛された傑作ミステリー。(こぴぺ)

軽いトラウマかもしれん。

闇のよぶ声

1971 角川書店 遠藤 周作

 

稲川圭子は精神科医の会沢を訪れた。婚約者の樹生が最近不安にかられているという。三人の従兄が皆、平和な日常を捨てて、忽然と失踪したからである。遠藤周作が挑むミステリー。

うーん。どうだろう。遠藤周作っぽいかもしれん。

SEX AND THE CITY [THE MOVIE] COLLECTOR’S EDITION

エイベックス・マーケティング 2009年1月23日

 

同名のTVドラマの続編としての映画。ニューヨークに住む4人の精力的な女性たちの愛と友情を描いた作品。

ドラマは2シーズンくらいしか見ていないが、映画は評判どおり良かった。個人的に好きなのはミランダのエピソード。

自虐の詩 プレミアム・エディション

2008 堤幸彦

 

幸江は、無職で甲斐性無しのイサオに尽くして、大阪で一緒に暮らしている。幸江がラーメン屋で働きながら生活を切り詰めやりくりしているというのに、イサオは賭け事ばかり。気に入らないことがあれば、ちゃぶ台をひっくり返す。ところが幸江は、イサオに惚れているのである。

漫画を読みたかったけど、とりあえず映画を見た。とにかく、よかった!

素晴らしい世界 1

2003 小学館 浅野 いにお

 

世界と調和しない人たちを描いた短編集。

ソラニンが好きだから読んだ。森のクマさん、バードウォーク、辺りが好きかなー。

研究者などを集めて社会常識を学ばせるってことを国がやろうとしているとか。研究者や小説家は世界との違和感がないと新しいものを生み出せない。って父ちゃんが言ってた。