塩屋さんが書いた塩の本

1990 三水社 松本 永光

 

「伯方の塩」の社長が書いた塩の本。塩の歴史、製造法、活用法、自然塩の普及を目指した起業の顛末なども書かれている。基本的に現在の減塩の流れを否定するなど、全編に渡って塩の効用を賛美している。

歴史の話は世界の塩にまつわるエピソードが書かれていて面白かった。塩田などによる方法が最も原始的な方法だと思っていたが、海藻(カイソウ)に海水をかけて、それを燃やして、かん水(濃い塩水)を作る方法が日本で古来から行われており、百人一首などにも登場するということだった。より効率的な塩田による製法ができたことにより、この製法は行われなくなったが、皇族などはこれを食べていたとか書かれている。この塩を食べてみたい。減塩がより健康的というのは科学的な観点からは微妙らしい。岩塩の色は泥や鉄などの不純物らしい。最も驚いたのは「赤穂の天塩」が(今はわからないが)この本によると中国で科学的に精製された塩化マグネシウム(にがり)を“添加”しているということだった。原料の塩は赤穂の天塩も伯方の塩もメキシコなどの外国の塩だ。これは専売公社時代に海水から塩を精製することが制限されていたから。

今は海水から塩を精製しても良くなったようなのでシママースなどの海水塩を使ってみたいなぁと思った。

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