光射す海

1996 新潮社 鈴木 光司

 

入水自殺を図った女性が精神病院に運ばれてくる。その女性は妊娠していることがわかるが、問いかけても反応がない。彼女に秘められた過去とは…。運命に翻弄される人生を描いた心にしみる傑作。

きた。30ページくらいで、すでに鳥肌がたっていたが、最後までその興奮は続いた。人生とその交わり。弱さ。強さ。過ち。痛み。いたわり。救い。すべてのエッセンスが絶妙に溶け合い混ざり合い、人間という脆く矛盾に満ちた存在を美しく彩る。

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