李歐

1999 講談社 高村 薫

 

母が家を出た日から、一彰は何も感じないままに生きてきた。事件に巻き込まれた一彰は一人の男に出会い、自分の中に歓喜が流れ込むのを感じた。彼の名前は李歐。李歐に翻弄されると共に、人生の喜びを見出していく男の半生。

濃厚で壮大な日本の裏社会をテーマにした物語。「惚れたって言えよ」という李歐は男も惚れるような個性を放っている。中国語や漢詩もたびたび登場して、殺伐としたストーリーに美しい彩を添える。大陸への憧れを新たにした。

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