狭き門

1954 新潮社 ジッド, 山内 義雄

 

「何という悲しい再会だったのでしょう!(中略)これからもあの通りに違いないと思います。もう分かっていますわ。ああ!お願いですから、もう二度とお目にかからないことにしましょう!」

アリサに想いを寄せるジェローム。しかしアリサにとって恋は自分の信仰を汚す感情と思われるのだ。それを切望し拒絶するアリサ。二人の先にあるものとは…。

青山繁晴氏のブログで触れられていたので読んでみた。「狭い門から入りなさい。滅びに通じる門は広く、その道も広々として、そこから入る者が多い。しかし、命に通じる門はなんと狭く、その道も細いことか。それを見いだす者は少ない。」もう少しキリスト教チックは話だと思っていたが恋愛もの。アリサの感情は理解できないが、ジェロームには共感できた。近づくほどに深くなる絶望的な隔たり。

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