1968 新潮社 遠藤 周作
「こんな小さな美術館に入っても、ぼくらはすぐに長い世紀に亙るヨーロッパの大河の中に立たされてしまうんだ」
留学をテーマにした三部作。周囲の期待や自尊心の中でそれぞれの主人公が葛藤する様子が描かれている。
西欧文化が素晴らしいものだということは言うまでもないことだけど、それと同じく素晴らしい日本文化を比べることはあまり意味のないことだと思う。相互に影響されあっていけば良い。というのは頭では分かっているのだけど、実際に留学したら、そうも言ってられない状況に陥るのかもしれない。徐々に遠藤秀作の世界にはまってくるのを感じた。