群青の夜の羽毛布

2006 文藝春秋 山本 文緒

 

「もしもう一度生まれ変わることができたら、わたしはきっと子供はつくらないでしょうね。結婚もしないかもしれません。どうしてかって?怖いからですよ。わたしは家族というものが、今はこころから恐ろしいんです。」

丘の上の家でひっそり暮らすさとる。さとるは鉄男と出合った。彼は健全だった。ストレートで人懐っこく、繊細だった。鉄男はさとると親しくなるにつれて、さとるの家族の異様さに気づき始める。密室である家族の濃い闇を描いた作品。

久しぶりの山本文緒作品だったけど、やっぱり面白くて一瞬で読めてしまった。

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