パルムの僧院

1969 岩波書店 スタンダール, Stendhal, 生島 遼一

 

「それでは、自分からわざと恐ろしい不幸にとびこみ、この世でいちばん愛するものから遠ざかって生きるようにすることを誓います」

己の本能に従って生きるファブリスと、その彼を熱烈に愛する美しく才気に満ちた叔母。さらにクレリアがファブリスの人生に登場する。それに女性たちの崇拝者たちも加わり、それぞれの欲望がパルムの地で交錯する。

他のレビューでも、「赤と黒」のジュリアン・ソレルとの比較が書かれていたけど、個人的にはソレルが好き。けれど、「パルムの僧院」は女性陣に関して、最強の布陣を整えていると思う。物語については、特に結末について、幸福とは良心とは何だろう?といろいろ考えさせらえるけど、やっぱりもう少し若いときに一度読んでおきたかった。10年後にまた読もう。

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