ウ・ヨンウ弁護士は天才肌

2022 ENAチャンネル ユ・インシク

 Netflixのおすすめに表示されて自閉症に関連していたので、気になった。自閉症といえば過去にも本を読んだこともあるが、「ザ・コンサルタント (原題: The Accountant)」も好きな大好きな映画だ。見てみると楽しくて心に響くドラマだった。

登場人物・世界観

 ウ・ヨンウは新米の弁護士である。小さい頃から挙動が普通ではなく医者に自閉スペクトラム症と診断されるが、一方で驚異的な記憶力に恵まれ、その特技を生かして見事に弁護士になった。その後なんとか一つの法律事務所に所属して、弁護士として歩み始める。優しい父親、理解して評価してくれる優しい上司ミョンソク、いつも味方をしてくれる同僚でロースクール時代の同級生スヨンもいるが、一方でライバル視をしてくるクォンなどもいる。また訟務チームのジュノはモテモテの爽やかイケメンだが、いつしかウ・ヨンウが気になっていく、という少女漫画的なストーリーにもなっている。

物語の始まり

 幼少時代は外的なショックでパニックになってしまったり、トランポリンを飛び続けるような不思議な子だったが、ふとしたことから部屋にあった刑法の全文を暗記していることが分かる。弁護士になり初出社の日を迎えるが、満員電車のストレスを大好きなクジラを思い浮かべることでやり過ごそうとする。なんとか会社にたどり着いて上司に面会するものの、”自閉スペクトラム症”と説明された上に言葉遊びのような早口の自己紹介をされると上司は持て余してしまう。しかし、その上司も仕事を進めていく中で、ウ・ヨンウの実力に気づいていく。

テーマ ー 誰もがもっている社会との摩擦

 ウ・ヨンウは回転ドアをうまく通れない。ドアを開けて部屋に入るときに間をおいて入る。物理的な世界においても何かウ・ヨンウがうまく行動できないような仕組みになっている。気持ちの世界でも人の気持がわからなかったり、言動が直接的でオブラートには包まれていないことが、他の人を気まずくさせたりもする。

 社会は自分専用にはできていない。誰しもが多かれ少なかれ社会との摩擦を抱えている。主人公は社会の大多数の人たちと違う性質を持っているので、特にその摩擦が多い。その社会の中で普通の人は妥協しながら生きている。先日もADHDの方がものすごい努力で”普通のフリ”をして生きているという辛い投稿をSNSで読んだが、ウ・ヨンウはそのようなフリもできない。そんな素のままの自分で社会に向き合って奮闘している主人公はこのドラマの魅力の一つであるのは間違いない。また、そんな主人公が仕事をしていく中で社会の不条理や、マイノリティに対する社会の矛盾や差別なども浮き彫りになっている。

最後に

 このドラマの大きな魅力は”普通以下に見える主人公が天才的な活躍をする”という少し陳腐なスーパーマン的な構図だろう。けれど、それがいい!弁護士という社会的地位がある人達を主人公が蹴散らすのが爽快である。また女性には”普通以下に見える主人公がイケメンに好かれる”という少し陳腐な少女漫画的な展開も惹かれるポイントになるはず。まあ、よく見るとこのシンプルな髪型でも普通に可愛い女優さんである。
 そんなこんなで万人が楽しめる良質な社会派エンターテイメントですのでぜひ!害もなさそうなので小学生の娘にも紹介しましたが、面白く見ていました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です