大学4年間の経済学が10時間でざっと学べる

2015 KADOKAWA 堀 利宏

 経済について知りたくて手に取った。思ったよりも難しかったがいろいろな概念を一つずつわかりやすい図で説明してくれていたので、読みやすかった。

本の構成

 第一部「経済学とは何か」ではミクロ経済学とマクロ経済学の二つの経済学を説明する。第二部「ミクロ経済学」では消費者、企業、市場、所得分配、独占、寡占、不完全情報の世界などをそれぞれ細かい概念に分けて説明する。第三部「マクロ経済学」ではGDP、財政、金融、景気と失業、経済成長、国際経済、経済政策などをこちらもそれぞれ細かい概念に分けて説明する。

気になったポイント

 まずは財政赤字をことされに悪いことと煽ったり、プライマリーバランスなどを強調したり、とMTTが流行っている現在では古く感じてしまう。一方では経済学という広い分野を網羅的に学べるのはよかった。一方理系の自分にとっては、複雑系である経済を数少ない簡便な数式で表すというのは流石に単純化しすぎと感じた。

最後に

 経済学者というのはどんな研究をしているのかがよく分からない。普通は自分の研究分野があって、その分野で第一人者であったりする気がするが、新発見などはあるのだろうか?そういう分野ではないのだろうか?そのあたりはいつもモヤモヤするところ。

 全体を通しては、本のサイズも分量もコンパクトにまとまっていて「10時間」と銘を打っているのは納得できる。ただ10時間で学べても10時間で理解できるかは分からないところがポイントかも。とはいえ経済学に初めて触れる私のようなビギナーにはコンパクトな教科書としておすすめできるとは思った。

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