母性社会日本の病理

1997 講談社 河合 隼雄

 

西欧を父性社会と定義し個の倫理が支配するとし、日本を母性社会と定義して、場の倫理が支配するという。日本がかかえる問題の根源は、父性的な個の倫理と、母性的な場の倫理のバランスが悪く、日本は場の倫理、平等を重視しすぎていることだと説く。その後、著者のユングの解説、ユング研究所での日々、日本人の深層心理、浦島太郎伝説の分析へと続く。

心理学、特にフロイトなどの夢分析は性に合わない。ユングもどうも駄目である。西欧との比較による二元論的な日本分析は古めかしく感じた。面白かったのは著者のユング研究所でのイザコザの話と、浦島太郎の話かもしれない。浦島太郎=しまこが40歳で釣りの途中に大亀に会うが、亀は女になったので嫁にして、ともに海に入る。一体、何なのだろうか・・・。

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