消費税によらない豊かな国ニッポンへの道―税をただすだけで社会保障財源は十分にある

富山 泰一 あけび書房 2009年5月

 

大企業と富裕層の減税による再配分効果の減少をなくせば、消費税を0%にできると説明。独自の試算を実行。

– 日本の税・社会保障負担は低いのか、高いのか
– 日本はなぜ財源不足になったのか
– なぜ、消費税は導入されたのか
– 消費税導入後の税・社会保障の「抜本改革」
– 税財政政策・社会政策を作っているのは誰か
– 「構造改革」路線で格差と貧困が拡大
– 消費税によらない豊かな国ニッポン創出のために

左側からの消費税増税や大企業・富裕層の減税への攻撃。GDP縮小のストーリーも書かれていた。

消費税のカラクリ (講談社現代新書)

斎藤 貴男 講談社 2010年7月16日

 

消費税の暗部にスポットをあてた、斉藤貴男氏渾身の一冊。中小・零細企業の生の声が聞ける。

– 消費税は国税滞納額ワーストワン
– 価格に転嫁できない中小・零細業者
– 輸出戻し税
– 派遣に切り替えると合法的に節税できる消費税
– 富裕税廃止の代替財源としての大型間接税
– 不公平税制をただせば税収は増やせる

「本書は消費税論の決定版である」と熱く語られていたので、買ってみた。税務署のひどい仕打ちや、中小企業が価格に消費税を転嫁できない現状など、語られている内容は眠れなくなるほど衝撃的だった。輸出企業が消費税の還付金の割合が多い(トヨタ 2千億円とか)のは知っていたけど、派遣社員の採用まで助長していたとは知らなかった。経団連の売国奴たちは還付金と法人税の減税がほしいだけだから、早く消費税を失くさなければならない。

カラマーゾフの兄弟

2006 光文社 ドストエフスキー, 亀山 郁夫

 

十九世紀の半ば過ぎ、ロシアの田舎町に住む強欲で無信心で淫蕩な地主フョードル・カラマーゾフの三人の息子たちの物語。放蕩の限りをつくす先妻の子のドミートリイ、インテリののイワン、そして誰からも愛される清純な青年アレクセイ。この3人を揺るがす奔放で妖艶な美人、グルーシェンカをめぐって事件が起こる。キリスト教または神についての過激な論争を織り交ぜて、物語は進行する。

やっとこさ、読んだ。モーム十選の10冊目だ。岩波のものが進まなかったので、読みやすいらしい光文社の訳で読んだ。ほぼ記憶にない「罪と罰」を読んだきり、ドストエフスキーは好きではなかった。フロイトの解説本を読むと賭博依存症患者として出てきていたから、「掛け金のために小説書いてたんでしょ?」と思っていた。今もそう思ってはいるが亀山氏の解説のおかげで毛嫌い度は減った気はしている。トルストイ好きの友達とはドストエフスキーの小説は(その暗さゆえ)「ドブ川」のようだと言っていたが、このカラマーゾフの兄弟についてはアリョーシャという明るさもあり、違った印象を持った。アリョーシャという光り輝く青年と出会うためにも、神という問題のためにも読んだほうがいい本だ。

この訳そのものも読みやすいと思うが、巻末にある解説がさらに読みやすさを助長しているように思った。訳注や作者注がたくさんあるものがたまにあるが、それらを巻末に一つの文章として、巻末にまとめてくれたら読みやすいかもしれないとも思った。それにしても、亀山氏の思い入れには一番驚いたかもしれない。5巻目にある氏の考察からは熱すぎる思いが伝わってくる。「グローバルな時代の中、日本の各地でカラマーゾフの兄弟のことが話題に上れば嬉しい」ようなことが書かれていたが、グローバルな時代のせいか、私なんかは海外で読んだり話したりしていますよ、とお伝えしたい。

ソクラテスの弁明・クリトン

1964 岩波書店 プラトン, 久保 勉

 

ソクラテス「だって、クリトン、この年齢になっていながら、いよいよ最期が迫ったといってもがくのも馬鹿げた話じゃないか」

ソクラテスの裁判、その後の牢屋での会話。

ちょっとこれだけじゃソクラテスを好きになるのは難しいなぁ。

クリシュナムルティの瞑想録―自由への飛翔

1998 サンマーク出版 ジッドゥ クリシュナムルテイ, J. Krishnamurti, 大野 純一

 

快楽と真摯さを両方一度に求めるから絶望的になるのである。一方で真摯になろうとして、他方では世間的な快楽を求めようとしている。けれども世俗的な快楽は結局のところいかにも卑小なので、さらに加えていわゆる<神>という快楽を求めるようになるのである。

「俗世間を去り、人里はなれた場所や修道院に引きこもる時代は終わり、代わって開かれた生と明晰な理解の時代がやってきた。」と宣言したクリシュナムルティによる瞑想録。

瞑想が大切って、よく書いてあるが、やり方がわからん。

The History of the English Language (Oxford Bookworms Library: Factfiles, Stage 4)

Brigit Viney Oxford Univ Pr (Sd) 2008年7月24日

 

…But sometimes both the French and the Old English words survived, with small differences in meanings: for example ask(OE) and demand(F), wedding(OE) and marriage(F), king(OE) and sovereign(F). Sometimes French words were used for life in the upper classes and Old English ones for life in the lower classes. Fore example, the words for the animals in the fields were Old English (cows, sheep, and pigs) but the words for the meat on the table were French (beef, mutton, and pork).

英語の歴史。

量の割りにいろいろ発見があって面白かった。